本記事では、YouTubeチャンネルによるレビューをもとに、正体隠匿系ゲームの話題作『シークレットヒトラー(Secret Hitler)』をご紹介します。
レビューを担当したのはLeeとKennyの2人です。正体隠匿系ゲームを日頃から楽しんでいるグループの視点から、「実際に遊んでみてどうだったか」を率直に語っています。LeeとKennyのほか、TereasaとJulianaも加わった4人の評価が揃い、「ゲームの好みによって評価が大きく変わる」というこのジャンルの特性をよく表しているレビューです。

4人の評価がバラバラなのが正直でいい! 正体隠匿系ゲームが好きかどうかで全く評価が変わるゲームです。6人以上の大人数で遊ぶと特に盛り上がります。
結論:7.5点と6点——正体隠匿系が好きなら楽しめる、苦手なら4点
Kennyは7.5点、Leeは6点を付けています。Tereasaは10点、Julianaは4点。この幅がこのゲームのすべてを語っています。
正体隠匿系ゲームが好きなら楽しめる。そのジャンルが苦手なら、このゲームも苦手かもしれません。ただしKennyは「ヒトラーのテーマのわりにうまく表現されている」と評価しています。どちらも「また遊ぶか」には「Yes」と答えています。
概要
| 参加人数 | 5〜10人 |
| プレイ時間 | 30〜60分 |
| 対象年齢 | 13歳以上 |
| 発売時期 | 2016年 |
| メカニクス | 正体隠匿、社会的推理、投票、セットコレクション |
| ゲームデザイン | マックス・テムキン、マイク・ボックスライター、トミー・マランジェス(Max Temkin, Mike Boxleiter, Tommy Maranges) |
/picture_f121754c-32ef-4569-8869-1f35ca20de43.jpg)
シークレットヒトラーは、1930年代のドイツを舞台に自由主義者(リベラル)とファシストに密かに分かれて戦う正体隠匿系ゲームです。各プレイヤーにはランダムで秘密の役割カードが配られます——リベラル多数、ファシスト少数、そして1人がシークレットヒトラーです。
各ラウンドでは大統領が首相候補を指名し、全員が「賛成」か「反対」で投票します。信任されたペアは政策カードの山から3枚引いて、大統領が2枚を首相に渡し、首相が1枚を選んで政策を施行します。リベラル政策を5枚通せばリベラルの勝利、ファシスト政策を6枚通せばファシストの勝利です。また、ファシスト政策が3枚の時点でシークレットヒトラーが首相に就任しても、ファシストの勝利になります。
/picture_dccd5caa-476b-42f3-b6ce-ac43c7b0ca3a.jpeg)
ファシスト政策が増えるほど、大統領は追加の特別権限(別のプレイヤーの役割を調べる、プレイヤーを処刑するなど)を使えるようになります。リベラルはシークレットヒトラーを処刑しても勝利できます。ゲームの大半は誰が誰を信じるか、誰がどのカードを出したかを巡る議論と推理で進みます。
感想
テーマの表現が思ったより過激でない
リベラル側のカードは1940年代風の普通の人々のイラスト。ファシスト側は爬虫類や蛇頭・恐竜頭・カエル頭のキャラクターとして描かれていて、ナチスやヒトラーを直接的に描写することを避けています。
「ヒトラー」という名前を使いながら、不必要に過激な描写を避けるデザインの判断は評価できます。これは賛否が分かれる作品ですが、テーマへのアプローチとしては誠実だと感じました。
コンポーネントの質が高い
開けてみると、大統領・首相のプラカードが厚みのある木製でできていて、単なる厚紙ではありませんでした。全体的に価格に対してコンポーネントの質が高く、「お金をかけて作られているな」という安心感があります。シンプルながらエレガントなデザインで、テーブルに広げたときの見た目も悪くありません。
ラウンドごとに新情報が積み上がっていく設計
このゲームで好きなのが、「情報が少しずつ積み上がっていく」構造です。最初のラウンドで大統領と首相がファシスト政策を通した——そのとき「大統領がファシストだったのか」「首相がファシストだったのか」「両方が正直者でデッキが悪かったのか」という複数の解釈が生まれます。
次のラウンド、また次のラウンドと進むたびに、その解釈を支持する情報・否定する情報が積み上がっていく。ワンナイト人狼のように一度にすべての情報が出るのではなく、ゲームを通じて少しずつ絞り込んでいく感覚がこのゲームの面白さです。議論も「今の情報だけを話す」という焦点が定まりやすく、話が迷子になりにくいです。
「全員がリベラルのように振る舞う」というゲームの本質
このゲームの面白い点は、ファシストもシークレットヒトラーも、できるだけリベラルっぽく振る舞うのが最善手だということです。「いつ動くか」のタイミングを読みながら、それまではひたすら善人のふりをし続ける。
プレイグループに一人、最初から何の根拠もなく「あいつがヒトラーだ!」と叫び始める人がいます(Leeがそれだと自覚しています)。でも実はそれもゲームの一部で、「根拠のない告発が飛び交う中で、本物の情報を見分ける」という混乱そのものが楽しいんです。こういうカオスをグループ全員で楽しめるかどうかが、このゲームを楽しめるかのポイントになります。
気になる点:6人以上が必須、内向的な人には向かない
このゲームは最低6人から本領を発揮します。5人でも遊べますが、人数が少ないとファシスト陣営が小さすぎて読み合いの幅が狭まります。また、全員が積極的に発言して推理に参加することが前提のゲームなので、静かに黙ってカードゲームを楽しみたい人には向きません。
Julianaがグループで隠れ役職ゲームを好まない立場から4点をつけていますが、それでも「4点はかなり良い評価だ」と本人が認めていました。つまりジャンルが好きじゃない人にとっても最低限の楽しさはあるということで、「隠れ役職ゲームが苦手」と感じていても、試してみる価値はあります。

コメント