本記事では、購入者目線の率直な評価で知られるYouTubeチャンネル「BoardGameCo」によるレビューをもとに、カスカディアの拡張『ランドマーク(Landmarks)』をご紹介します。
レビュアーはBoardGameCoのAlex Radcliffe(アレックス・ラドクリフ)氏です。カスカディアを32〜40回以上プレイし、12×12レビュー(あらゆる構成でプレイするレビュー形式)まで行うほど本作を遊び尽くした立場から、この拡張の真価を正直に語っています。「ポジティブでもあり、複雑でもある」という言葉通り、単純な○か×ではない評価がこのレビューの読みどころです。

正直な評価が刺さります。カスカディアをたくさん遊んでいる人ほど参考になるレビューです。
カスカディア本編については↓で詳しくレビューしています!

結論:ヘビープレイヤーには◎、カジュアルプレイヤーには△、初心者には非推奨
カスカディア本編は5点満点中5点の大好きなゲームです。この拡張はそこから評価を下げも上げもしません。カスカディアは拡張があってもなくても5点満点。
ただし拡張単体の評価となると話が変わります。拡張として何をしてくれるか、という観点では3.5点くらいです。誰に向けて推奨するかによって評価が三分されます。カスカディアをたくさん遊んでいる人にはおすすめ。普通に遊んでいる人には中立。初めて遊ぶ人には積極的に購入しないことを勧めます。
概要:この拡張が加えるもの
| 参加人数 | 1〜6人(本編は1〜4人) |
| プレイ時間 | 45〜60分 |
| 対象年齢 | 10歳以上 |
| 発売時期 | 2023年 |
| 追加内容 | 地形タイル約40枚・スターティングタイル5枚・動物得点カード15枚・ランドマーク関連コンポーネント一式・新ソロ/チャレンジコンテンツ |
| ゲームデザイン | Randy Flynn、Molly Johnson、Robert Melvin、Shawn Stankewich |

画像引用元:Alderac Entertainment Group公式サイト「Cascadia Landmarks」紹介ページ
カスカディア・ランドマークはカスカディア本編に追加するコンテンツの拡張です。大きく5つの要素が追加されます。まず地形タイルが約40枚増え、そのうちいくつかは初めて「3種類の地形が混在するタイル」です。次にスターティングタイルが5種類追加されます。
3つ目は動物得点カードが各動物3枚ずつ、計15枚追加されること。4つ目は5〜6人プレイへの対応と、それに伴う「個人プール方式」のバリアントルール追加です。手番に全タイルを選ぶ代わりに、15枚だけ選んで残りを自分のプールに置き、他の人のターン中に好きなタイミングで配置するというもので、5〜6人でも3〜4人プレイ相当のテンポで遊べるようになります。
そして5つ目がこの拡張の名前でもある「ランドマーク」です。地形コリドーが5マス以上になったとき、対応するトークンをそのタイルに置いてランドマークカードを1枚取ります。カードの内容はさまざまで、追加得点、コリドーサイズへのボーナス、動物配置の追加スロット開放などがあります。ただしタイルにトークンを置くと、その場所には動物が置けなくなるトレードオフが生じます。最後に新しいソロチャレンジや実績コンテンツも追加されています。
感想
追加タイルとカードは素直に良い
タイルの追加とカードの追加については、ほとんど文句がありません。3種類の地形が混在する新タイルは少し面白い選択肢を生みますが、ゲームを根本から変えるほどではないです。スターティングタイルも「あってよかった」くらいで、劇的な変化は感じません。
動物得点カードの追加は明確に良いです。カスカディアを32〜40回遊んでいると、さすがにカードの組み合わせに慣れてきます。新しいカードが15枚加わって組み合わせの幅が一気に広がるのは、ヘビープレイヤーにとってそれだけで拡張を持つ価値になり得ます。
5〜6人モードと個人プールバリアント
5〜6人プレイの対応は、存在してくれてよかったとは思います。ゲーム時間が長くなりすぎないよう個人プールのバリアントも追加されているのは良い判断です。実際に4人以下で試してみても、判断の幅が少し増えて面白い遊び方ではあります。
ただ現実問題として、カスカディアを5〜6人でやろうとなったときは別のゲームを出す可能性が高いです。5〜6人で遊べる選択肢が増えた点は他の人には喜ばれると思いますが、自分自身が強く恩恵を受けるかというと、正直なんとも言えません。
ランドマーク:期待していたほどではなかった
一番正直に言わなければいけない部分がここです。この拡張の名前そのものである「ランドマーク」が、正直なところ一番期待外れでした。
遊ぶ前は「コリドーに新しい意味が生まれる」「違う戦略が取れる」と楽しみにしていました。でも実際に遊んでみると、ランドマークを使っているとき頭の中でやることが変わります。「このランドマークカードを取るか、取らないか」「1点か2点か」という計算が増えて、普段のカスカディアでは感じない点数カウントが頻繁に入り込んでくる。戦略的に正しい判断をしている感覚はあるのですが、楽しさの部分で少し外れてしまいます。
通常のカスカディアでは「なんとなく最善手が見えてそれをやる」という気持ちよさがあります。ランドマーク込みだと「最善手を計算して選ぶ」モードになりやすくて、そのモードへのシフトがあまり好きじゃなかった。バリエーションを加えてくれる役割は果たしているけど、ランドマーク自体が「楽しい!」という感覚をもたらしてくれたことはまだないというのが正直な印象です。
ソロコンテンツの追加は純粋にうれしい
カスカディアのソロモードはとても好きです。本編のソロ実績や挑戦を全部クリアしてしまって「次は何を目指せばいいか」となっているなら、この拡張の新しいソロチャレンジと実績は純粋に嬉しい追加です。マルチで遊ぶのもいいですが、ソロでカスカディアを遊ぶのも好きなので、そのコンテンツが増えること自体は歓迎します。
誰にすすめて、誰にすすめないか
整理すると、こうなります。カスカディアを初めて遊ぶ人には、この拡張は必要ないし、むしろ入れないほうがいいです。拡張のせいでゲームの良さが見えにくくなる可能性があります。ほどほどに遊んでいる人には中立です。贈り物でもらったなら入れればいい、ですが自分でお金を出して買うかと問われると「うーん」となります。
この拡張を迷わずすすめられるのは、カスカディアをかなり遊んでいる人だけです。カードの組み合わせに飽きてきた、もっといろんな遊び方をしたい、ソロチャレンジを全クリした——そういう方には、拡張の追加内容がしっかり価値を持ちます。自分もそのタイプなので、持っていて後悔はないし、これからも時々混ぜて遊ぶつもりです。ただランドマーク自体は毎回使うわけではなく、「たまに入れる」選択肢として持っておく感覚です。

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