この記事では、YouTubeチャンネル「Board Gaming Ramblings」によるレビュー動画「Septima – Board Game Review」をもとに、ボードゲーム『セプティマ』の内容を詳しく紹介します。
『セプティマ』はMindclash Gamesが手掛ける最新作で、魔女たちが次期セプティマ(魔女の最高位)の座を争うという独特のテーマを持っています。レビューでは、アートワークやコンポーネントの魅力、ルールブックの分かりやすさ、ゲームの軽量化を目指した設計、そして実際のプレイ時間やプレイ感について詳しく語られていました。
結論
『セプティマ』はMindclash Games作品の中で最も軽量なユーロゲームを目指してデザインされています。しかし、実際に遊んでみると「軽い」というよりは「やや短縮された重ゲー」といった印象を受けます。
魔女たちが街を移動し、材料を集め、患者を癒やし、儀式や裁判を経て勝利点を稼いでいく流れはユニークで魅力的です。アートワークやコンポーネントは非常に高品質で、遊んでいて没入感を高めてくれます。
一方で、プレイ時間は依然として長めで、他のMindclash Games作品と比べてもテンポが良いとは言えません。
結論として、シリーズファンや魔女テーマに惹かれる人には試してみる価値がありますが、軽快なユーロを期待すると肩透かしになる可能性があります。
ゲームの概要(要点のみ)
『セプティマ』は1~4人で遊べる戦略ゲームです。プレイヤーは魔女の一団を率い、材料を集めて薬を作り、患者を癒やし、呪文を学び、最終的に次代のセプティマを目指すことになります。
ゲームは4ラウンド制で、各ラウンドは5つの「月の位相」で構成され、各位相ごとにプレイヤーはアクションカードを同時に出して実行します。
アクションが他プレイヤーやセプティマと一致するとボーナスを得られますが、同時に「疑念」を高めてしまい、魔女狩りのハンターに狙われるリスクも増していきます。
さらに各ラウンド終了時には「魔女裁判」が行われ、忠実な市民と怒れる市民が投票することで魔女の運命が決まります。裁判に勝てばポイントや能力を得られ、敗北すれば仲間を失う可能性もあります。
こうした流れを繰り返し、最も得点を稼いだプレイヤーが勝利します。
感想
1. テーマと雰囲気
『セプティマ』の最大の魅力は、やはり魔女というテーマを正面から扱ったユーロゲームである点です。街を移動して薬の材料を集め、病人を治療するという流れは物語的で、プレイしていると自然に「魔女の集団を率いている感覚」が湧いてきます。
また、毎ラウンドの「月の位相」によって得られる材料が変化するシステムは、テーマ性とゲーム性の両方を兼ね備えています。「今は月の光がこの材料を照らしているから手に入る」という説明は直感的で、雰囲気作りにも成功しています。
テーマの一貫性は高く、ボード上で繰り広げられる物語が自然に見えてくるのは大きな魅力です。
2. コンポーネントとアートワーク
Mindclash Gamesらしく、コンポーネントは豪華で高品質です。カードのイラストやボードのデザインは美しく、魔女の物語に没入させてくれます。
特に豪華版(デラックス版)に付属するトレイや専用コンポーネントは、セットアップや片付けをスムーズにしてくれる点でも評価できます。
一方で、レビューでは「大きな薬瓶のコンポーネントは少し扱いにくい」という声もありましたが、全体としては満足度の高い構成でした。
3. アクション選択
本作のユニークな要素は、他プレイヤーやセプティマとアクションを一致させるかどうかの選択です。
一致すれば追加の効果や儀式トラックの進行といったメリットを得られますが、その分「疑念」が高まり、魔女狩りのリスクも増します。
プレイヤー間で「今回は合わせる?」と駆け引きが生まれるものの、必須ではなく軽めの交渉要素に留まっているため、交渉が苦手な人でも安心して楽しめます。
また、儀式トラックを活用すると追加の呪文や得点を得られるので、「リスクを取るか、安全策を取るか」というジレンマが常にプレイヤーに迫ってきます。
4. 魔女裁判と市民の存在感
ラウンドの終わりに行われる「魔女裁判」は、本作を特徴づける要素のひとつです。市民を支持者として裁判に送り込むことで有利になりますが、同時に「怒れる市民」も袋に混ざり、抽選の結果によっては敗北する可能性もあります。
レビューでは、このランダム性は「完全な運」ではなく、行動である程度コントロール可能な点が評価されていました。勝てば能力や得点源となる「書物の得点条件」を増やすことができ、敗北しても一定のリワードを得られるため、極端に理不尽には感じにくい構造になっています。
5. プレイ時間とテンポ
レビューで繰り返し指摘されていたのが、プレイ時間の長さです。公式には「1人あたり25分程度」とされていますが、実際には2人で90分~1時間45分、3人では2時間40分ほどかかったと報告されています。
このため、「軽量ユーロ」として期待すると裏切られるかもしれません。実際には「中量級~重量級の中間」くらいのボリュームであり、短時間で終わる作品ではないという点は理解しておく必要があります。
6. 総合評価とおすすめの人
総じて、『セプティマ』は魅力的なテーマと豪華なコンポーネントを持つ堅実なゲームです。魔女の物語を体験しながら遊べる点は独特で、他のユーロゲームにはない没入感を与えてくれます。
一方で、ゲーム時間の長さとテンポ感が足を引っ張っており、気軽に遊べる作品ではありません。
レビューでは最終的に「7点(10点満点中)」「6.5点」と評価されており、良作ではあるものの「他のマインクラッシュ作品ほどの熱量はない」とまとめられています。
おすすめできるのは、テーマに強く惹かれる人やマインクラッシュ作品をある程度遊んだことのある人。逆に「軽快なユーロを探している人」にはやや重すぎるかもしれません。
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