本記事は、ボードゲーム専門チャンネル「Dice Tower」によるレビュー動画「Rebel Princess Review: Party Crashin’」を日本語で丁寧に要約し、ボードゲーム『レベル・プリンセス』の魅力をわかりやすく紹介します。
動画ではハーツ系の“避けゲー”としての面白さ、毎ラウンド変わるイベント(追加ルール)、一度だけ使えるプリンセス能力、そして“管理されたカオス”という本作の持ち味について語っています。以下では、ルールは概要にとどめ、実際のプレイ感とレビューで語られた本質的な面白さに焦点を当てて解説します。
結論
『レベル・プリンセス』は、クラシックなトリックテイキングの骨格に、“ラウンドごとに変わる一工夫”と“プリンセス能力”を重ねることで、読み合いの厚みと遊ぶたびの新鮮さを両立させた一作です。
レビュー陣は「ハーツに親しんだ人ほどすんなり入れる一方で、新しい時代のトリックテイキングの面白さを体験できる」と高評価。
数値評価でも8.5/8.5/9という好スコアが示され、“古さ”と“新しさ”のバランスが抜群であることが強調されています。
概要
スートは4種類(ペット/フェアリー/クイーン/プリンス)。カードは1〜12ですが、6人プレイでのみ11・12が入るという構成です。基本はリードのスートにフォロー(同じスートを出す)し、そのスートの最大数字がトリックを獲得します。
ゲームは通常5ラウンド構成(任意で増減可能)で、各ラウンド開始時に指示どおりの枚数を指定方向にパスします(例:3枚を反時計回り→次は時計回り など)。さらに、毎ラウンド1枚の“イベントカード”が公開され、そのラウンド限定のルールや得点条件が加わります。
ゲーム開始時、各プレイヤーは2枚の“プリンセス”から1枚を選び、その固有能力をラウンドに1度だけ使用できます(例:シンデレラ=高低逆転、アイスプリンセス=特定範囲の数字縛りやランダム指定など、いずれもタイミングが重要)。
また、このゲームでは“プリンス”カードは受け取りたくない点数で、そもそもラウンド内で「場にプリンスが入るまではリードできない」という制限があります。誰かがフォローできずにプリンスを投げ込むと、以降はプリンスが登場可能に。
ラウンド中のすべてのプリンスを集めきると“反逆の王子(Rebel Prince)”達成で−10点という例外もあり、ここが痛快な見せ場になります。
最終的に5ラウンド後、合計点が最も低い人が勝利です。


ハーツの親しみやすさ+“ひと捻り”で生まれる面白さ
レビュワーは口をそろえて、『レベル・プリンセス』は「ハーツ」を土台に、遊ぶたびに違う刺激が入る点を評価しています。ハーツの醍醐味は「取りたくないカードを押し付け合う」緊張感にありますが、本作はそこに“毎ラウンドのイベント”と“一回限りのプリンセス能力”を重ねることで、単純な回避合戦に終わらせません。
イベントはそのラウンド中ずっと有効で、全員が同じ条件の下で考える“管理されたカオス”として機能します。ランダムで理不尽に振り回されるのではなく、「今回はこのルールだから、どう立ち回る?」と頭を切り替えられる——この設計が非常に気持ちいいのです。
“毎回違うハーツ”を短いスパンで味わえる
例えば「2番目に小さいカードが勝つ」系のものや、得点計算が少しひねられる系など、覚えやすいのに思考の軸をズラすタイプが中心としたイベントがあります。レビュワーは「その手限定の変化」が次の手ではまたリセットされるテンポ感を絶賛しており、「ある種のゲームが一生採用しているようなルールを、ここでは一回限りの味付けとして楽しめる」と述べています。
これにより、1セッション中に“違うゲーム”を連続で味わっているような満足感が生まれ、「もう1回やろう」が自然と起きるわけです。
一回限りの“流れ替えスイッチ”
プリンセス能力は、単なる“派手さ”ではなく、不利な流れを押し返すためのテコとして光ります。シンデレラの「高低逆転」のような効果は、読みが外れて点が雪崩込む“避けゲーあるある”を寸断し、一度だけ盤面の向きを変える歓びを与えてくれます。
レビューでは「イベント×能力の組み合わせで、思わぬ名場面が生まれる」ことが繰り返し語られ、カード回しの緊張を壊さずに“逆転の余地”を残す設計が称賛されています。能力を切るタイミングは悩ましく、「さっき使えばよかった!」という後悔も含めてドラマを作る、と。
教えやすく、ダレない
ラウンド数は推奨5ですが、卓の都合で短縮/延長もOK。レビュー陣は「全部遊んでもダレない長さ」と評価しつつ、「カードゲームらしく気分で止めても良い自由度」も好印象と述べています。
導入もスムーズで、最初の手は“イベントなし”で基本動作だけに集中、2手目から本番という流れが初心者に刺さるとのこと。
小箱+気の利いた改良
レビューで触れられた“デラックス版”は、小箱の良さを保ちつつ、タイルや能力の追加など実用的なアップグレードが施され、どれも「余計ではなく、気持ちよく遊べる方向の改良」との評価。
見た目の豪華さだけでなく、扱いやすさや判読性に寄与するアップデートが好評でした。「これが決定版」と呼べる納得感がある、と。
幅広いプレイ人数
プレイ人数は幅広く(彼らは6人だけ未プレイとコメント)、いずれの人数でも“読み合い+ちょい変化”の妙味はしっかり感じられるとのこと。
イベントの影響は全員に等しく及ぶため、理不尽に一人負けしにくい。そのうえで、プリンセス能力が“最後のひと押し”として作用するので、卓全体が笑いながらも緊張感を保てるのが魅力です。
レビュー終盤の総括でも「戦略的で、少しの多様性、ほんの少しのカオス——でもそれ以上にはならない」と表現され、気持ちよい範囲に収まる調整が評価の決め手になっていました。
総まとめ:誰に勧める?
『レベル・プリンセス』は、ハーツが好き(または嫌いじゃない)人にはまず試してほしい一本です。クラシックな回避の気持ちよさを保ちつつ、イベントと能力で“勝ち筋の把握しやすさ”と“意外性”を両立。
導入のしやすさ・ダレないテンポ・気の利いた改良の三拍子もそろい、レビュー陣からは8.5/8.5/9という高評価が与えられました。トリックテイキングの入門〜中級卓はもちろん、ベテラン卓でも“1手ごとに違う顔”を楽しめるはず。
次のゲーム会に、ぜひ『レベル・プリンセス』を持ち込んでみてください。
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