この記事では、ボードゲームレビュアーとして知られるTom Vassel氏がDice Towerチャンネルで公開した「キャット・イン・ザ・ボックス」のレビュー動画の字幕をもとに、ゲームの内容と感想を詳しくご紹介します。

トリックテイキングゲームを愛するTom氏が、このゲームをどのように評価したのか、ぜひご覧ください。
結論:最高のトリックテイキングゲームのひとつ
キャット・イン・ザ・ボックスは、最近プレイしたトリックテイキングゲームの中でも最高レベルの一作です。「ザ・クルー」という例外を除けば、ここ数年でプレイしたトリックテイキングゲームの中で最高と言えます。
Dice Towerの評価は「エクセレント」です。

『トリックテイキング』については↓で詳しく説明しています!
ゲームの概要
| 参加人数 | 2~5人 |
| プレイ時間 | 30分前後 |
| 対象年齢 | 13歳から |
| 発売時期 | 2022年~ |
| メカニクス | トリックテイキング |
| ゲームデザイン | 横内 宗幸(Muneyuki Yokouchi) |

※公式サイトである ホビージャパン公式ページより引用しています。画像の著作権は権利元に帰属します。
キャット・イン・ザ・ボックスは、「量子トリックテイキングゲーム」と呼ばれるユニークなジャンルのゲームです。シュレーディンガーの猫をテーマにしており、すべてのカードは「あなたが望む色になれる」という斬新なコンセプトを持っています。

カードはすべて黒色で、1〜8(5人プレイ時は1〜9)の数字が書かれています。プレイヤーはカードを宣言する際に、自分でその色を決めます。一度宣言した色と数字の組み合わせはボード上にトークンで記録され、同じ色と数字の組み合わせは二度と使えません。トランプカラーは赤で、少なくとも1枚赤が出るまでは赤でリードすることはできません。誰かが手持ちのカードをすべてプレイできなくなると「パラドックス」が発生し、ラウンドが即座に終了します。

勝利点は取ったトリック数に基づきますが、事前に宣言したトリック数を正確に達成した場合のみ、ボード上で自分のトークンが連続してつながっているマスの数だけボーナスポイントが加算されます。ラウンド数はプレイヤー人数と同じで、最終的に最も多くのポイントを獲得したプレイヤーが勝者となります。
感想
トリックテイキングゲームへの厳しい目線
トリックテイキングゲームがとても好きだからこそ、このジャンルには他のゲームよりも厳しい目を向けています。なぜなら、トリックテイキングゲームには「まあまあ」なものや、複雑なだけのものがとても多いからです。その中でキャット・イン・ザ・ボックスは、シンプルでありながら、これまでにない新鮮な体験を提供してくれる一作です。
「カードが自分の宣言で確定する」という革新的なコンセプト
このゲームの最大の魅力は、カードの色を自分で宣言する、というコンセプトです。通常のトリックテイキングゲームなら、手札に青が3枚・緑が4枚・黄が2枚・赤が3枚、といった具合に最初から色が決まっています。しかしキャット・イン・ザ・ボックスでは、手札を見た段階では色はまだ確定していません。
たとえば「赤が6枚で青が0枚」と心の中では思っていたとしても、ゲームの進行の中でその宣言が変わることがあります。そして面白いのは、「青は持っていない」と宣言することはできても、ゲームはその宣言に対してしっかりと責任を取らせる点です。「これは赤の5だ」と宣言した瞬間、そのカードは赤の5として確定してしまうのです。このコンセプトがとても気に入っています。
パラドックスの緊張感
同じ数字のカードをたくさん持っているとき、パラドックスに陥らないよう慎重に考える必要があります。これまでに見てきたプレイのうち、大多数のラウンドがパラドックスで終わっています。もちろん、トリックテイキングが得意なプレイヤーであっても、他のプレイヤーの宣言によってパラドックスに巻き込まれることがあります。「あーっ!」という瞬間が何度も訪れます。
ボーナスポイントをめぐる駆け引き
ゲームをプレイしていると、気づいたらボード上でトークンを大きく連続して並べようとしている自分がいます。「6マスも連続してつながった!」という達成感があるのですが、そこで二つの問題が生じます。まず、トリックの獲得数を正確に予測しなければならない。そして、パラドックスを起こしてはいけない。なぜなら、パラドックスが起きるとボーナスポイントはもらえないからです。この二つの目標の間で何度も葛藤してしまいます。
複数人でのスケーラビリティと手軽さ
このゲームは複数人でも楽しめ、スケーラビリティも高いと感じています。「色を持っていない」と宣言してトークンを外すという独特のルールも、最初は少し奇妙に感じますが、すぐに自然に馴染んでしまいます。
トリックテイキングゲームとして、複雑になりすぎず、かつ他にはない体験を提供してくれるゲームであってほしいと思っているのですが、キャット・イン・ザ・ボックスはまさにその期待に応えてくれます。
エリアコントロール的な面白さ
このゲームにはどこかエリアコントロールゲームのような感覚もあり、ボード中央でのトークンの配置が大きな楽しさのひとつになっています。選択肢が豊富で、何度もプレイしたくなる魅力があります。実際に何度もプレイしていますが、それはプレイするたびに楽しいからです。
教えやすさについて
教えるのも簡単です。トリックテイキングゲームを知らない人には少し追加の説明が必要ですが、それはほぼすべてのトリックテイキングゲームに共通することです。キャット・イン・ザ・ボックスは面白く、プレイしやすく、教えやすいゲームです。ぜひ確認してみてください。
コンポーネントについて
ボードにカードを差し込む際、端が傷つく可能性がありますが、一度カードを入れてしまえば問題ありません。またゲーム間でカードをそのまま入れておくこともできます。
トークンはかわいらしく、異なる形とシンボルで見分けやすくなっています。ただし、トークンが透明なため、ボードの背景色が透けて見えてしまい、見分けにくいことがあります。不透明なディスクにした方が良かったと思っています。
カードの品質は「まあまあ」といった感じで、トリックテイキングゲームではカード品質が非常に重要なため、スリーブをつけることを強くおすすめします。



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