ワード系ならまずはこれ!『コードネーム』シリーズ比較レビュー

ワード系ならまずはこれ!『コードネーム』シリーズ比較レビュー チキンレース

この記事では、動画「Codenames Review – Still One Of The Best Party Games Ever Created」の内容をもとに、ワード系パーティーゲーム『コードネーム』(および『コードネーム:ピクチャーズ』『コードネーム:デュエット』を含むシリーズ)について、実際に遊び込んだ立場から詳しくレビューします。

動画内では、トップ100に毎年入り続けているお気に入りとして『コードネーム』が紹介されており、その遊び方の概要から、他のパーティーゲームとの違い、ピクチャーズやデュエットとの比較、さらには派生版への印象まで、かなり踏み込んだ感想が語られていました。ここではその内容だけをもとに、パーティーゲームとしての楽しさと戦略性、そして人を選びそうなポイントまで、分かりやすくまとめていきます。

結論:『コードネーム』は「今でも一線級」のパーティーゲームだと断言できる

結論から言うと、『コードネーム』は今でも自分の中で最高クラスのパーティーゲームです。単にワイワイ盛り上がるだけの軽さではなく、チームで頭をひねりながら、言葉のつながりを探していく戦略性がしっかりあります。それでいて、笑いが起きる瞬間や、「なんでその単語でそう思ったの!?」というツッコミどころも多く、パーティーゲームとしての楽しさも十分です。

『コードネーム:ピクチャーズ』や『コードネーム:デュエット』も遊んでみましたが、自分の中での中心はあくまでオリジナルの『コードネーム』です。ピクチャーズは悪くないものの、やや出番が少なめ。デュエットは2人プレイでもしっかり楽しめる完成度で、2人でコードネームを遊びたいなら必須級だと感じました。

トータルでは、『コードネーム』本体と『コードネーム:デュエット』を押さえておけば、「言葉で遊ぶゲーム」の中ではかなり強力なラインナップになると思います。

『コードネーム』は↓

『コードネーム:デュエット』は↓

概要

参加人数2~8人
プレイ時間15分前後
対象年齢14歳から
発売時期2016年~
メカニクス 言葉遊び/推理/メモリー/チキンレース/チーム戦/パターン認識
ゲームデザイン ヴラーダ・フヴァチル(Vlaada Chvátil)

『コードネーム』は、2チームに分かれて遊ぶワード系パーティーゲームです。テーブル上には25枚の単語カードが並び、そのうち何枚かが「赤チームの単語」、何枚かが「青チームの単語」、残りが中立、そして1枚だけ「暗殺者(当てたら即敗北)」として配置されます。各チームには「ヒントを出す側」と「単語を当てる側」がいて、ヒント役は共通のキーカードを見ながら、自分のチームの単語がどれかを把握しています。

ヒントを出すときは、「単語1つ+数字」の組み合わせで伝えます。たとえば「食べ物 3」のように言えば、「食べ物に関係する単語が3つあるよ」という意味になります。受け取ったチームメイトは、ボード上の単語を見渡しながら、「どれが食べ物っぽいか」を相談し、1枚ずつ指さしていきます。当たりなら自チームの色のタイルが置かれ、ハズレ(中立・相手の単語・暗殺者)なら即座に手番終了、暗殺者ならその時点で敗北です。

基本的には、先に自分たちの色の単語をすべて当てきったチームが勝利です。ヒントに付ける数字は「最低でも1」ですが、「3」「4」など大きな数字を宣言して、一度にたくさんのカードを当ててもらおうとすることもできます。もちろん、その分だけリスクも増えるので、「どこまで欲張るか」が悩ましいところです。

※引用元:ホビージャパン公式『コードネーム』商品ページ

感想

パーティーゲームなのに、ここまで戦略的に遊べる楽しさ

『コードネーム』を遊んでいてまず感じるのは、パーティーゲームなのに「戦略ゲーム並みに考えどころがある」という点です。単語を1つ当ててもらうだけなら、適当なヒントでそれなりに当たりますが、このゲームの本質は「どれだけ多くのカードを一つのヒントでつなげられるか」にあります。

たとえば「ゲーム 5」のような大胆なヒントを出したくなる場面もありますが、そのときに「自分の単語5枚」に加えて「相手の単語」や「暗殺者」にまで関連してしまう可能性がないかを、必死にチェックすることになります。もし暗殺者に強く結びつく単語なら、そのヒントは諦めるべきですし、中立なら「外しても次からは安心して使える」と割り切ることもできます。25枚すべてのカードを俯瞰してリスクを計算する感覚は、もはや軽い頭脳戦に近いです。

一方で、受け取る側もただ当てるだけではありません。「前のラウンドで出されたヒントが、まだ1枚分回収できていない気がする」と感じたら、次のラウンドでその残りを取りに行くこともできます。ヒントには「宣言した数字+1回」まで推測していいというルールがあるので、「前のラウンドで取りこぼした1枚+新しいヒント分」をまとめて狙う、といった欲張りプレイも可能です。このあたりの自由度が、ただの連想ゲームにはない奥行きを、生み出していると感じました。

「分かっているつもり」が一番危ない、チーム内の読み合いが面白い

『コードネーム』の一番の見どころは、チーム同士の「頭の中のズレ」がそのままドラマになるところです。ヒントを出している側は、「これは完璧だ」と思って単語と数字を出します。たとえば「食べ物 3」と言えば、「ベリー」「ナッツ」「マンモス」あたりを狙っているつもりかもしれません。しかし受け手側は、「ベリー」「ナッツ」まではたどり着けても、3つ目で「ルート(根菜?)」「アフリカ(飢餓のイメージ?)」など、まったく意図していない方向に発想が飛ぶことがあります。

その結果として、相手チームの単語を当ててしまったり、場合によっては暗殺者を踏んで即ゲーム終了、ということも起こり得ます。ここで生まれる「なぜそれを選んだ!?」というツッコミと、「いや、こういうイメージで…」という言い訳の応酬は、このゲームならではの笑える瞬間です。失敗したとしても、そのプロセス自体がゲームの面白さになっていると感じました。

同時に、この「噛み合わないかもしれない」という不安が、プレッシャーにもなります。ヒント役は、チームメイトの思考パターンや知識量まで想像しながら、「この単語なら伝わるだろうか?」と悩むことになります。そこが楽しい反面、「人の頭の中を読みに行くゲーム」が苦手な人にとっては、ストレスになり得るポイントだとも感じました。

ほぼ無限と言っていいリプレイ性と、飽きにくいシステム

似たようなジャンルのパーティーゲームでは、遊んでいるうちに「このカードが来たら、このパターン」という定番化が起きがちですが、『コードネーム』はそこがかなり抑えられています。その理由は、「単語そのもの」ではなく「単語同士の組み合わせ」がゲームの本質だからです。

たとえば「ヒマラヤ」という単語が出てきたとしても、前回は「山」「雪」と一緒に並んでいたかもしれませんし、次はまったく別の単語群と並ぶかもしれません。暗殺者の位置や相手チームの単語との関係も毎回変わります。同じカードが出てきても、「今回の盤面では、それをどう利用するのか」が毎回変わるので、特定の単語に対する攻略法が固定されないのです。

この構造のおかげで、『コードネーム』は「個々のカードを覚えてしまっても、ゲームとしての新鮮さが保たれる」という、パーティーゲームとしてはかなり贅沢な作りになっています。加えて、カード枚数自体も多く、入れ替えも簡単なので、長期的に見ても遊び尽くしにくいタイトルだと感じました。

弱点は「考え込みすぎによるダウンタイム」と「ヒント役のプレッシャー」

とはいえ、欠点がまったくないわけではありません。まず気になるのは、ヒント役が長考しすぎるときのダウンタイムです。「いいヒントを出したい」という気持ちが強すぎると、どうしてもテーブルが静まり返ってしまいます。箱にはタイマーも入っていますが、それを使うと今度は「焦らされるストレス」が強くなり、せっかくのじっくり考える楽しさが削られてしまう面もあります。

また、チーム全体の期待を背負ってヒントを出す立場は、ときにかなりのプレッシャーになります。うまくつなげられなかったときや、相手チームにポイントを渡してしまったときに、自分を責めがちになるタイプの人には、少し負担の大きい役割かもしれません。そういう場合は、ヒント役をローテーションさせたり、プレッシャーの少ないメンバーに任せるなど、運用でカバーしたくなります。

コードネーム:ピクチャーズは「悪くないけれど、言葉ほどの自由度はない」

『コードネーム:ピクチャーズ』は、単語カードの代わりにイラストカードを使うバージョンです。グリッドは4×5になり、そこに不思議で少しシュールな絵が並びます。電球の中にろうそくが入っていたり、松ぼっくりが子どもの姿になっていたりと、イメージを広げやすいように工夫された絵柄が特徴です。

基本ルールはオリジナルと同じで、ヒント役が単語+数字で、複数の絵をつなぐ言葉を探していきます。ただ、実際に遊んでみると、言葉カードに比べて連想の自由度が少し狭いと感じました。絵には具体的なモチーフが強く描かれているため、「絵そのもの」に引っ張られやすく、抽象的なつながりを作りにくい瞬間が出てきます。

その結果、プレイ感が少しだけ硬くなる印象があります。とはいえ、システム自体はしっかりしているので、ピクチャーズ単体でも十分に楽しいゲームです。ただ、自分の中では「遊ぶ頻度はオリジナルの『コードネーム』が圧倒的に高い」「ピクチャーズは年に一度出番があるかどうか」という位置づけになりました。

コードネーム:デュエットは、2人用として驚くほど完成度が高い

『コードネーム:デュエット』は、2人でも『コードネーム』の面白さを味わえるように作られた協力型バージョンです。基本的な構造はそのままですが、チーム戦ではなく、2人(もしくは2側)で協力して目標枚数の単語を当てきることを目指します。

面白いのは、2人が共有するグリッドカードが両面仕様になっている点です。自分側から見たときの「正解」と、相手側から見たときの「正解」が一部重なっていて、合計15枚の単語を限られた手数の中で当てていくことになります。ラウンド数やミスの許容量に応じて難易度が調整されており、「9ターン中何回までミスしてよいか」といった形で、遊ぶたびに違うチャレンジを楽しめます。

このモードは、2人でじっくり遊びたいときのコードネームとして、ほぼベストだと感じました。単なる「2人用の簡易版」ではなく、しっかりとしたパズル性と協力感があり、連続して遊んで「街から街へ進んでいく」ようなキャンペーン的な遊び方もできます。4人以上いるならオリジナルの『コードネーム』を、2人だけなら『コードネーム:デュエット』を、という分担が自然にできるのが、とても良いバランスだと思います。

まとめ:言葉で遊ぶなら、まず『コードネーム』を一箱持っておきたい

『コードネーム』は、「笑い」と「読み合い」と「ひらめき」が同時に味わえる」数少ないパーティーゲームです。4〜8人という人数帯で、安定して盛り上がりやすく、カードを少し持ち歩けば出先でも遊びやすいのも魅力です。長く遊んでいてもマンネリになりにくい構造を持っているので、「集まりの定番ゲーム」として、かなり長くテーブルに残り続けるタイプの作品だと感じました。

2人で遊ぶことが多いなら『コードネーム:デュエット』を、イラストで遊びたいなら『コードネーム:ピクチャーズ』を追加で検討する価値がありますが、最初の一箱としては、やはりオリジナルの『コードネーム』を強くおすすめしたいです。言葉を使って遊ぶゲームが好きなら、きっと長く大事にしたくなる一本になると思います。

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