ボドゲレビュー『52レルムズ:アドベンチャー』良い点・気になる点

ボドゲレビュー『52レルムズ:アドベンチャー』良い点・気になる点 BoardGameGeek特集

本記事では、ボードゲーム界の権威あるチャンネル「The Dice Tower」のChris Y氏とJoey Evans氏による、プリント&プレイ(PnP)の注目作『52レルムズ:アドベンチャー(52 Realms: Adventures)』のレビューをご紹介します。トランプ一組で手軽にダンジョンクロールが楽しめる本作に対し、彼らがどのような評価を下したのか、その独自の魅力と戦略性に焦点を当ててまとめました。

結論:シンプルな素材で驚くほど楽しいダンジョン体験

52レルムズ:アドベンチャーは、プリント&プレイとトランプ一組だけで成立する、驚くほど手軽で楽しいダンジョンクロールゲームです。

私たちが本作をプレイした結果、Chrisは10点満点中8点、Joeyは7点という評価を下し、Dice Towerのシール・オブ・アプルーバル(推薦マーク)を贈ることに決めました。「最初のマップだけで判断しないでほしい」――まさにこの言葉に尽きます。マップやキャラクターを変えるごとに、全く新しい発見と奥深さが待ち受けているのです。

そもそもプリント&プレイ(PnP)とは?

そもそもプリント&プレイとはなにかというと、

プリント&プレイとは自分で印刷して遊ぶゲームのことです。

他にも「プリントアンドプレイ」PnP」のようにも言われます。

無料または低価格で頒布されていることが多く、自由に何度も印刷できるので手軽に遊べるのが特徴です。

ゲームの概要

参加人数1人用
プレイ時間10~20分
対象年齢未登録
発売時期2024年~
メカニクス未登録
ゲームデザインマシュー・ダンスタン(Matthew Dunstan)ロリー・マルドゥーン(Rory Muldoon)

画像引用元:https://www.postmarkgames.com/52-realms-adventures

52レルムズ:アドベンチャーはPostmark Gamesのプリント&プレイゲームです。

必要なのはプリントアウトしたマップとキャラクターシート、マーカー3個、そしてジョーカーなしの標準トランプ一組だけ。ダイスもチップも不要。旅先でもタブレット一台とトランプさえあれば、どこでも冒険を始められます。

ゲームはダンジョンクロール形式で、キャラクターを操作してマップを探索し、ボスを倒すことが目標です。マップには複数のキャラクターが用意されており(バーバリアン、シアー、ドルイド、フェルナイトなど)、どのキャラクターとどのマップを組み合わせても楽しめる構成になっています。

ゲームのタイマーはデッキ(トランプ)そのもの。デッキを使い切るか、傷(ウーンド)が一定を超えると敗北です。ボスを倒して勝利した暁には、集めたルート(戦利品)がポイントとして計算されます。

感想

トランプ一組で遊べる手軽さが最大の魅力

プリント&プレイでありながら、マークシートを書き込むタイプではなく、トランプをカードとして使ってプレイするという点がとにかく最高です。マップにもキャラクターシートにも何も書き込まないので、タブレットに表示したままでも問題なし。コインや小さなマーカーさえあれば、本当にどこへでも持ち出せます。

しかも、一度プリントすれば使い回せます。ラミネートしたり、毎回新たに印刷したりする必要は一切ありません。少ない素材でこれだけのことができるというのは、本当に驚きです。

アートワークの完成度の高さ

アートワークは圧巻です。キャラクターのデザインが伝統的なフランス式トランプのフェイスカード(絵札)をアレンジしたものになっていて、世界観との一体感が素晴らしい。プリント&プレイとは思えない完成度で、Postmark Gamesのセンスを感じます。

キャラクターごとに大きく変わる戦略性

キャラクターによってプレイスタイルが劇的に変わります。たとえばドルイドはアルマジロや他の動物に変身して特殊な効果を得られます(最初の攻撃を無効化する、モグラになってより多くのルートを得るなど)。これらの変身にはカードを消耗するコストがかかるため、「使うかどうか」という決断がたまらない面白さを生んでいます。

一方、フェルナイトは自分自身を傷つけながら大ダメージを与える、ダークマジック系のキャラクター。傷カードをそのまま装備として使えるという独特の仕組みがあり、ギリギリのラインを攻めるスリルがブラックジャック的で、たまらなく好きです。「ヒットしてくれ」でも「いや、やめておこう」という駆け引きが最高に楽しいですね。

戦闘システムの緊張感と戦略性

戦闘はトランプをめくって敵の強さや攻撃内容を決めるランダム性があります。同じランクAの敵でも、めくったカードが2か13かでヘルスが大きく変わります。最初のうちは攻撃するだけで精一杯ですが、敵のヘルスが28もあるような強敵と戦うときは、ダメージの着地点を慎重に計算しながら戦う必要があります。

ヒットポイントトラック上の特定のマスに着地できるとパリィや装備リフレッシュができるため、「最大ダメージを狙いたいけど、途中のボーナスマスも拾いたい」という葛藤が生まれます。この計算が本当に楽しく、ゲームが深くなるにつれてより重要になってくるんです。

また、戦闘中以外は休息(レスト)が取れないというルール。テーマ的にはやや不思議な感じもしますが、これがゲームの緊張感を維持するための重要な設計で、「回復したければ、あえて戦いに行く」という面白い状況が生まれます。

「最初のマップだけで判断しないで」

最初のマップとキャラクターは、やや無難な印象があるかもしれません。でも、第2マップや新キャラクター(フェルナイト、ドルイドなど)になったとき、ゲームの印象がガラッと変わります。

ドルイドでイーグルに変身しながらマップを行ったり来たりするプレイは、カードゲームとは思えないほどテーマ感があって驚きました。だからこそ、最初のマップで判断するのは絶対にやめてほしい。心からそう思います。

Postmark Gamesは今後も追加コンテンツでこのゲームをサポートしていく予定。 マップ3や新キャラクターがどんなものになるか、今から期待でいっぱいです。この期待感も含め、私のスコアは7.5から8に引き上げました。

唯一の不満点:勝利後のスコアの満足感

大きな不満点をひとつ挙げるとすれば、ゲームに勝った後のスコア評価が少し物足りないことです。「23ルート獲得」と言われても、それが良いのか悪いのか判断する基準がありません。

スコア表や評価スケールのようなものが用意されていれば、もっと達成感が高まったでしょう。個人的には、ルートの多さよりも「ダンジョンを生き延びた」こと自体が一番の満足感になっているので、スコアはおまけ程度に感じています。

とはいえ、全体的には十分に速くて楽しい体験なので、この一点を差し引いても満足度は高いです。

15〜20分で遊べるスピード感と繰り返しプレイの魅力

1プレイが15〜20分程度で終わるので、気軽にリセットして何度でも遊べます。ランダム性が高いため、スコアアタックとしてはやや評価しにくい面もありますが、ダンジョンの探索そのものが楽しいので、また遊びたくなります。

ルールを覚えるためのオーバーヘッドも少なく、さっと取り出してすぐ遊べる点も大きな魅力です。

まだ遊んだことのない方は、ぜひチェックしてみてください。Postmark Gamesは素晴らしいゲームをリリースしているメーカーです。

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ABOUT REVIEWERS

Chris Y & Joey Evans

世界最大のボードゲームデータベース「BoardGameGeek」の祭典「ゴールデンギーク賞」でもおなじみ、ボードゲーム界の権威あるチャンネル「The Dice Tower」の主要メンバー。二人とも膨大なプレイ経験と深い洞察に基づいたレビューで、世界中のボードゲーマーから厚い信頼を得ている。

レビュー担当:Chris Y

The Dice Tower

数多くのボードゲームを網羅的にプレイし、公平で論理的な視点からゲームの魅力を分析するベテランレビュアー。初心者からコアゲーマーまで幅広い層に信頼されている。

レビュー担当:Joey Evans

The Dice Tower

自身の好みやこだわりを明確に持ちつつ、ゲームのメカニズムや楽しさを情熱的に伝えるレビュアー。忖度のない意見でゲーマーの背中を押すスタイルに定評がある。

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