ボドゲレビュー『ヘゲモニー』2023年の非対称ベストゲーム

ボドゲレビュー『ヘゲモニー』2023年の非対称ベストゲーム ハンドマネジメント

今回は、The Board Game Hangoverの動画「Hegemony Board Game Review – Game of The Year」をもとに、ヘゲモニーの魅力と気になる点を丁寧にまとめます

ヘゲモニーは、労働者階級、中産階級、資本家階級、国家という4つの立場がぶつかり合う、かなり重い非対称ゲームとして紹介されています。

重いゲームが好きな人にとってどこが強く刺さるのか、そしてなぜそこまで高く評価されているのかを整理していきます。

はくめー
はくめー

4つの階級がまったく違う感覚で動く非対称性と、政策、交渉、投票、カード、事件が全部つながって動く感覚がとても強く推されています。かなり重いゲームですが、遊んだあとにまたすぐ遊びたくなる熱量までしっかり伝わってきます。

結論:ヘゲモニーは2023年ベスト級

ヘゲモニーをひと言でまとめるなら、「ほかで代わりが見つからないくらい個性的な、強い手応えのある非対称重ゲー」です。

その熱さを支えているのは、4つの立場が完全に違う遊び方を持ちながら、それでもひとつの国の中でちゃんとかみ合っているところです。

資本家階級はとにかくお金を稼ぎ、税金はできるだけ払いたくありません。労働者階級は教育や医療を良くして繁栄を上げたいです。中産階級はお金も欲しいですが、人々の幸福や暮らしも大事です。国家はそれぞれを助けながら正統性を高めていきます。

この違いがただの役割差で終わらず、全員の行動が全員に影響する作りになっているのが大きな魅力です。

一方で、ルール量の多さ、カード運、他プレイヤー依存の強さ、終盤の苦しさなど、重いゲームらしい厳しさもはっきりあります。それでも、総合すると評価は揺らがず、2023年のベストゲーム、そして文句なしのマストバイという結論です。

概要

参加人数2~4人
プレイ時間90分~180分
対象年齢14歳から
発売時期2023年~
メカニクスプレイヤー別固有能力/ハンドマネージメント/投票・多数決
ゲームデザインバンゲリス・バギアルタキス(Vangelis Bagiartakis)/ヴァルナバス・ティモテウ(Varnavas Timotheou)
ヘゲモニー

画像引用元:Hegemonic Project Games公式サイト

ヘゲモニーは、労働者階級、中産階級、資本家階級、国家の4つの完全非対称ロールを受け持つゲームです。それぞれの立場でやりたいことも、勝ち方も、他者との関わり方もかなり違います。しかもそれが別々に進むのではなく、同じ国の中でぶつかりながら進んでいきます。

ヘゲモニー

手番ではカードを1枚使い、そのカードの効果を使うか、捨てて基本アクションを行います。そのあと会社が生産し、賃金を払い、税金が動き、さらに法律の投票が入ります。教育、医療、賃金、税金、資源の安さ、国家がどれだけ会社を管理するか、移民まで、さまざまな部分が政策で動きます。

ヘゲモニー

また、このゲームは5ラウンド制で、各ラウンドでは5枚のカードを使って進みます。つまり、大きなゲームではあるものの、実際に自分ができる手数は多すぎるわけではなく、ひとつひとつのアクションの重みがかなり大きい作りです。小さな動きでもあとに大きく響いていくので、遊んでいるとずっと神経を使います。

感想

4つの階級が本当に別ゲームのように動く非対称性が圧倒的

ヘゲモニーでいちばん強く推されているのは、やはり非対称性です。しかも、よくある「少し能力が違う」くらいではありません。担当する階級が変わると、ほぼ別ゲームを遊んでいる感覚になるとまで言えるくらい差があります。

資本家階級は利益を増やし、税をできるだけ抑えたいです。労働者階級は教育や医療を良くして繁栄を高めたいです。中産階級はお金も必要ですが、暮らしや幸福も同じくらい大切です。国家はすべての階級をうまく助けながら正統性を上げなければなりません。この違いがただ設定としてあるのではなく、実際のアクション、得点の取り方、誰と手を組みたいか、どの法案を通したいかにまで全部つながっています。

それなのに、全体はばらばらになりません。みんなが違う方向を向いているようで、同じ国の中でしっかり噛み合っています。この「完全に違うのに、ちゃんと同期している」感じがあります。

政策と投票が盤面全体を揺らし、同じやり方をそのまま続けさせない

教育を安くする法案を出せば、労働者階級や中産階級はかなり喜びますが、そのぶん国家の財政には別の影響が出ます。賃金、税金、資源価格、移民、国家が企業をどこまで管理するかまで、政策の変化が全部に触れてきます。

このおかげで、あるラウンドでうまくいったやり方が、次のラウンドでもそのまま通じるとは限りません。政策が変わるだけで、前に強かった動きが急に弱くなることがあります。盤面がずっと生きていて、固定の解き方に落ちにくいところが大きな魅力です。

25アクションしかないからこそ、ひとつひとつがとても重い

5ラウンドで、各ラウンドに使うカードは5枚です。つまり全体で見れば、自分が切れるメインの手数は25回ほどしかありません。ですが、この少なさが弱さではなく、むしろ強さになっています。どんなに小さい行動でも、その後の連鎖にしっかりつながるからです。

ひとつの行動が別の行動を動かし、その影響で別のプレイヤーの事情も変わっていくので、まさにバタフライエフェクトのような感覚があります。終盤になると「もう5アクションしか残っていない」と感じるほど、1手の価値がとても大きいゲームになっています。長時間ゲームなのに、だらけるどころか、最後まで手番の重みが落ちにくいのはかなり魅力的です。

交渉と会話が自然に生まれる

ヘゲモニーは、ただ自分の盤面だけを見て効率良く回せばいいゲームではありません。ほかのプレイヤーから物を買うこともありますし、相手がどんな政策を望んでいるか、どこで折り合えるかも大きく効いてきます。

資本家にもっと会社を建ててほしい、国家に何か便宜を図ってほしい、あるいはストライキやデモで圧をかけたいなど、政治的な駆け引きがごく自然に発生するようにできています。

そのため、テーブルでの会話量がとても多くなります。数字だけを見て回す重ゲーではなく、人とのやり取りそのものが重要な重ゲーというのが、この作品のかなり大きな個性です。

ルール量と細かさはかなり重く、初回は取りこぼしが出やすい

もちろん、良いところばかりではありません。まずかなりはっきり言われているのが、ルール量の多さです。

ルールブックがあり、プレイヤーごとの補助もあり、共通の補助もあり、とにかく参照物が多いです。各階級ごとに細かな違いがたくさんあるので、初回から全部をきれいに回すのはかなり難しいです。

ただ、これは強い欠点であると同時に、このゲームが花開くまでの助走でもあります。最初の1回は「まず遊んでみる」くらいの気持ちで入ったほうがよく、本当の面白さは全体のつながりが見えてきてから出てくる、という整理になっています。重さを受け入れられる人なら、ここは乗り越える価値がある部分です。

カード運とプレイヤー依存はしっかりある

手札7枚から5枚を使うので、カードの引きはかなり効きます。欲しいイベントはあるのに必要なアクションもしたい、逆に手札があまり良くない、ということも普通に起こります。

さらにもっと大きいのが、プレイヤー同士の関係です。このゲームでは、自分だけ完璧でも勝てないことがあります。資本家が会社を建てなければ労働者は働き口に困りますし、誰かひとりを徹底して困らせれば、相手もこちらを困らせにきます。

結果は自分だけでは決まらず、ほかの人の動きと会話の質にも強く左右されます。ここを面白いと感じるか、しんどいと感じるかで好みは分かれそうです。

総評:はっきりマストバイと言いたくなる作品

最終的な評価はとても明快です。ヘゲモニーは2023年のベストゲームであり、自分たちにとって完全に刺さる一本であり、ただのおすすめではなく「買うべきゲーム」です。

重いですし、細かいですし、人にも左右されます。それでも、非対称性、政治性、会話量、テーマ性、そして全体がひとつの生き物のように動く手応えは、それらを超えて余りある魅力として伝わってきます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました