和のユーロゲーム!?『白鷺城(ホワイトキャッスル)』徹底レビュー

和のユーロゲーム!?『白鷺城(ホワイトキャッスル)』徹底レビュー ダイスプレイスメント

Youtubeチャンネル「No Pun Included」の動画「Amongst Many Board Games, The White Castle is a Board Game」では、Efka氏とElaine氏が新作ユーロゲーム「白鷺城(ホワイトキャッスル)」を実演&解説しています。

三つの橋からダイスを取って得点アクションを選び、庭師・軍人・廷臣を配置して富と権力を争う本作の魅力を、軽快な掛け合いと例えを交えて丁寧に紹介。

この記事では動画の内容を元に、ゲームのポイントを日本語でわかりやすくまとめました。

結論

「白鷺城(ホワイトキャッスル)」は、橋からダイスを選ぶ独創的なアクション選択と、人材配置が噛み合う新鮮なユーロゲームです。9回しかない手番の制限が緊張感を生み、灯篭ボーナスの拡大がプレイヤーを常に惹きつけます。

一方、計画の難しさと情報量の多さに慣れるまで時間を要しますが、最小限のアクションで大きな手応えを味わいたい方には強くおすすめできる一作です。

ゲームの概要

1~4人で遊ぶ「白鷺城(ホワイトキャッスル)」は、毎ラウンド各色ダイスを三本の橋に昇順配置し、プレイヤーはその左右端からダイスを1つ取り選択アクションを実行します。

アクションには〈廷臣の配置〉〈軍人の訓練キャンプ配置〉〈庭師の園配置〉〈資源取得〉〈移動〉など多彩なものがあり、配置したコマは勝利点やボーナス、灯篭ゾーンへの移動を呼び起こします。

全体で3ラウンド9アクションが終了すると得点集計。廷臣の城内ランク、軍人数×廷臣数、庭師の継続得点、ランタン報酬、ストークトラック順位などを合計し、最高得点のプレイヤーが勝利します。

感想

印象的なビジュアルとコンポーネント

まず目を奪われるのが三本の橋を模した厚紙ボードと、色鮮やかなダイス群です。橋の上に並んだダイスはまるで人が行き交う城門のように見え、毎ラウンドの山場を視覚的に強調してくれます。

各プレイヤーボードも和風のイラストが美しく、庭師や廷臣駒、ストーク駒のミニマルなデザインが世界観を損ねません。

とはいえ、橋とメインボード、プレイヤーボード群を一度に広げるには想像以上のテーブルスペースが必要で、狭い卓では窮屈さを感じるかもしれません。

独特なダイス配置メカニクス

橋の左右端からしかダイスを取れないルールは、本作最大のジレンマです。高い目を取れば差額分の金貨を得て、低いと支払うコストが増えるため、「リスクとリターン」の判断が常にプレイヤーを追い詰めます。

狙いの場所に置きたいけれど手元のダイス目が合わず、橋に戻るか犠牲を払っても欲しいダイスを取るか――こうした決断が9回の行動すべてに緊張感をもたらします。

灯篭ボーナスの成長感

左側のダイスを選ぶと〈灯篭ボーナス〉トリガーが発生し、毎回小さな恩恵を受け取れます。序盤は1~2点程度のみに思えますが、盤面のカードが入れ替わるたびボーナスが灯篭ゾーンに蓄積され、終盤には大量の資源や得点を一気に獲得できる上乗せを狙えます。これにより「左端を取り続ければ地味だが確実に強くなれる」という成長ルートが用意され、戦術の幅と達成感を両立しています。

行動スペースの多様性と駆け引き

廷臣・軍人・庭師の3系統のコマ配置や、資源取得、ストークトラック操作などアクションは多彩です。

「庭師を配置して毎ラウンド得点」「軍人で廷臣点をブースト」など目的ごとのルートがあり、一度自分の戦略が見えると迷いは減ります。ただし他者が先に配置するとアクションが消えたり、コストが跳ね上がったりするため、先手か後手かで計画を変える駆け引きが絶えません。

特に序盤・中盤・終盤でアクションの価値が大きく変わる点も刺激的です。

ターン数制限が生む緊張感

本作は〈3ラウンド・各3アクション〉の全9アクションで完結します。回数制限が短いため、一手一手の重みが非常に高く、自分の番がくるまでにアクションが変化してしまうもどかしさもあります。

Tom氏がPipelineを引き合いに出したように、「限られた手番で最大限の成果を上げる」緊張感を味わえる設計です。

その反面、検討時間が長いとテンポが落ちる点は注意が必要です。

ゲーム体験の総評

「白鷺城(ホワイトキャッスル)」は、小箱・低価格ながら緻密なメカニズムを詰め込んだ意欲作です。

アクション選択のユニークさ、灯篭ボーナスの積み重ね、ダイス配置と配置コマ増加の連鎖は、短時間ながら中身の濃い体験を提供してくれます。反面、情報量の多さや狭いスペースでのプレイには慣れが必要。

限られた手番の中で最大の効果を狙うチャレンジが好きなゲーマーには強くおすすめできる一作です。

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