ボドゲガチ勢の評価は?『セティ(SETI)』長所と短所を解説!

ボドゲガチ勢の評価は?『セティ(SETI)』長所と短所を解説! 海外ボードゲーマーレビュー要約

宇宙を舞台にした壮大なユーロゲーム『セティ(SETI:地球外知的生命体探査)』は、リリース直後から話題を集めました。数時間にも及ぶプレイ時間、膨大なカード枚数、そして未知のエイリアンの出現という独自要素。本記事では、人気メディア「Shut Up & Sit Down」によるレビューを基に、『セティ』の本質と実際の面白さを詳細に解説します。

概要:宇宙探査とエイリアン接触を描く壮大なユーロゲーム

『セティ』は、最大4人で5ラウンドを戦う長時間級のユーロゲーム。プレイヤーは宇宙探査プローブを操作し、惑星着陸、衛星軌道、スキャン、エリアコントロール、データ収集、そして「エイリアンの発見」を目指していきます。カードの使い方やコンボの構築が中心となり、戦略の幅が広いのが特徴です。

レビュー①:強力な多機能カードと壮大な得点エンジン

本作の中心は、非常に多機能なカードシステムです。1枚のカードが複数の用途(即時効果、リサイクル資源、スキャン用途、収入)を持ち、手札に「死に札」が存在しない作りになっています。

「あるカードが今は使えなくても、必ず別の方法で価値を生む」とレビュアーは評価し、特に後半になるにつれ爆発的なコンボが発動する様子を「スロットマシンのよう」と表現しました。

レビュー②:ゲーム序盤の制限と後半の爆発的展開

序盤は資金も行動も限られており、「重苦しい立ち上がり」を感じるものの、それが後半の自由度とのコントラストを際立たせていると好意的に評価。最初は何もできないが、時間とともに選択肢が爆発的に増える設計が、「プレイの成長感」に繋がっていると述べられています。

レビュー③:エイリアンの導入とその“驚き”の演出

ゲーム中盤で突如登場する2体のエイリアンは、ゲームのルールと得点構造を大きく変化させる要素です。ランダムに選ばれたエイリアンにより、プレイスタイルや優先戦略が大きく変わり、毎回異なる展開が生まれます。

例として、遠距離通信で報酬が遅れて届く「宇宙の彼方の種族」や、化石を集めて得点する「岩の生命体」などが紹介され、それらが「意外性とテーマ性を同時に提供する見事な設計」として評価されました。

レビュー④:プレイを重ねた後の“飽き”の兆し

初回プレイでは新鮮さにあふれる『セティ』ですが、レビュー後半では「複数回遊ぶと繰り返し感が強い」と指摘。エイリアンの存在によって一見リプレイ性が高く見えるが、実際には変化の幅が小さく、「基本の戦術が大きく変わらない」と語られています。

得点エンジンの作成や行動選択も“効率追求型”に集約しがちで、「毎回やっていることが変わらない感覚」が蓄積されていくと指摘しました。

レビュー⑤:プレイ人数による体験の変化

2人プレイでは「計画が読みやすくテンポも良い」と評価された一方、3〜4人では「盤面が読みにくくなり計画性が崩れる」という問題が顕在化。特に中央ボードの“自動回転”が、他プレイヤーの行動で意図せず発生するため、戦略の安定性が損なわれるという懸念が表明されました。

「誰かの意図しないアクションで計画が壊されるタイプのユーロゲームは苦手」と述べ、インタラクションが偶発的で戦略性を損なうとの批判も加えられています。

総合評価:革新性と課題を併せ持つ“壮大な一作”

レビュアーは「セティは決して悪いゲームではない」としつつ、「ただしコレクションに残るほどではない」と述べています。初回や2回目のプレイでは未知のエイリアンとカードの魅力で盛り上がるが、コアの戦略やリプレイ感に乏しさを感じたことが主な理由です。

比較対象として『アークス』や『ザ・サーチ・フォー・プラネットX』などが挙げられ、「もっと個性や繰り返しプレイに耐える深みがある作品」として推薦されました。

SETI:地球外知的生命体探査 | ANALOG GAME INDEX
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まとめ:
『セティ』は、壮大なテーマと豊富なカードによる多機能性、未知のエイリアンという“驚き”の要素で、ユーロゲームの中でも非常に個性的な体験を提供する一作です。一方で、複数回プレイにおける変化の少なさ、プレイヤー人数によるテンポの不安定さなど、いくつかの構造的課題も浮き彫りになりました。

1〜2回のプレイで十分満足できる「イベント的ゲーム」として楽しむか、それとも長く愛せるゲームを求めるかで評価が分かれるでしょう。

この記事は、YouTubeチャンネル「Shut Up & Sit Down」によるレビュー動画『SETI is One of 2024’s Biggest Board Games. But is it any good?』をもとに構成・要約した内容です。

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