この記事では、YouTubeチャンネル「Shut Up & Sit Down」によるレビュー動画「Gloomhaven – Shut Up & Sit Down Review」の内容をもとに、協力型ダンジョンクロールボードゲーム『グルームヘイヴン』の魅力と課題について詳しく紹介します。
動画では、ゲームの膨大なコンテンツ、独自のカードシステム、プレイヤー間の駆け引き、そして物語性のある世界観が語られており、実際のプレイ体験に基づいた率直なレビューが展開されています。
結論:『グルームヘイヴン』は“管理と没入”が共存する壮大な冒険体験
『グルームヘイヴン』は、70以上のミッションとランダムイベント、秘密のキャラクター解放などを含む巨大なキャンペーン型(連続したシナリオやストーリー)ボードゲームです。動画では「箱の中にRPGの世界が広がっている」と表現されており、プレイヤーの選択と行動が物語を形作る点が高く評価されています。
一方で、管理すべき要素が多く、プレイ人数が増えるほど進行が遅くなるという課題も指摘されています。それでも長期的に楽しめる作品として、動画では強く推奨されています。
ゲームの概要
『グルームヘイヴン』では、プレイヤーは6種類の初期キャラクターから1人を選び、ダンジョン探索と戦闘を繰り返しながら物語を進めていきます。各キャラクターは専用のカードデッキを持ち、毎ラウンド2枚のカードを選び、上下の効果を組み合わせて行動します。
カードには使い切りの強力な効果もあり、手札の管理がそのままミッションのタイマーとして機能します。また、ミッションごとに地図にステッカーを貼ったり、街や道中でイベントカードを引いたりと、プレイヤーの選択が世界に影響を与える仕組みが多数存在します。
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画像引用元:BoardGameGeek「Gloomhaven」画像ギャラリーページ
感想
カードシステムの奥深さと戦略性
『グルームヘイヴン』の最大の特徴は、カードによるアクション選択とその消費管理です。プレイヤーは毎ターン、どのカードを使うか、どれを失うかを悩みながら進めることになります。
このシステムにより、序盤は選択肢が豊富でワクワクする展開が楽しめ、終盤には「あと何ターン持つか」という緊張感が生まれます。さらに、キャラクターごとにデッキ構成が異なり、プレイを通じて自分だけのコンボや戦術を発見する楽しさがあります。
協力と裏切りのバランス
『グルームヘイヴン』は協力型ゲームですが、プレイヤーの行動が必ずしもチームにとって最善とは限らない場面が多くあります。動画では「宝箱を独り占めしたり、コインを拾いに走ったりするプレイヤーが出る」と語られており、協力と個人目標の間で揺れるプレイが物語性を生むと評価されています。
ミッション開始時に配られる秘密目標カードも、プレイヤーの行動に微妙なズレを生み出す要素です。こうしたズレが、最終的にチームが一丸となって困難を乗り越える展開をよりドラマチックに演出しています。
世界観と物語の体験
『グルームヘイヴン』は、プレイヤーの選択によって物語が形作られる“静かなRPG”です。動画では「街のイベントカードでラットピープルを守る選択を繰り返した結果、パーティの性格が自然に定まった」と語られており、物語がプレイヤーの行動から生まれる設計が高く評価されています。
また、キャラクターが引退すると新しいキャラクターが解放される仕組みもあり、プレイを重ねるほどに世界が広がっていく感覚があります。動画では「20時間プレイしてもまだ10%しか遊べていない」と語られており、長期的に楽しめるボリュームと奥行きが魅力です。
コンポーネントと管理の煩雑さ
『グルームヘイヴン』は膨大なカード、トークン、マップ、敵データなどを管理する必要があるため、セットアップや片付けに時間がかかるという課題があります。動画では「レビューのために2週間リビングに広げっぱなしだった」と語られています。
ただし、こうした管理作業も「儀式のようで心地よい」と語られており、寒い午後に紅茶とチョコを用意して遊ぶような、温かい体験として受け入れられています。
まとめ:『グルームヘイヴン』は“儀式と物語”を楽しむボードゲーム
『グルームヘイヴン』は、戦略性・物語性・協力性が高次元で融合したボードゲームです。動画では「このゲームは完璧だ」と語られており、プレイヤーの感情や関係性までもゲーム体験に取り込む設計が高く評価されています。
もちろん、プレイ時間の長さや管理の煩雑さ、4人プレイ時の進行の遅さなど、課題も存在します。しかし、それらを乗り越えた先には、何十時間にもわたって仲間と共有できる濃密な冒険が待っています。
『グルームヘイヴン』は、すべての要素が“ちょうど良く”設計されたゲームではなく、あえて過剰で不完全な部分を含むことで、プレイヤー自身が物語を補完する余地を残しているように感じられます。動画の最後では「このゲームは自分にとって完璧」と語られており、その言葉がこの作品の本質を物語っているようです。


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