『ウイングスパン』基本+拡張まで網羅的にレビュー!

『ウイングスパン』基本+拡張まで網羅的にレビュー! ダイスロール

この記事では、ボードゲーム「ウイングスパン」と、その拡張「欧州の翼」「大洋の翼」をレビューします。

ボードゲーム系YouTubeチャンネル「Board Game Co」の動画「Wingspan & Expansions Review – Over A Million Copies Sold…That’s A Lot Of Birds」で、100万部以上売れた超人気タブロービルドゲームとしてのウイングスパンの魅力と、拡張セットがどのように体験を広げるかが語られていました。

本記事では、その内容をもとに、ルールの概要と、実際に遊んだときの感想を書いていきます。

結論:ウイングスパンは「遊びやすさ」と「タブローの気持ちよさ」が両立した良作

ウイングスパンは、4ラウンドという短めの構成の中で、自分の鳥たちのタブローがどんどん強くなっていく感覚をしっかり味わえるゲームです。ルールは比較的分かりやすく、プレイ時間も1時間前後と重すぎません。それでいて、カードの組み合わせやアクションの効率化を考える余地が多く、遊ぶたびに違う展開になります。

一方で、終盤に「卵を産むだけが一番効率が良い」という状況になりやすいことや、カードや餌の出方に左右されるもどかしさもあります。それでも、全体としてはとてもよくできたタブロービルドゲームであり、私の中では評価は5点満点中4点という位置づけです。

拡張「欧州の翼」「大洋の翼」は、どちらも「もっとウイングスパンを遊びたい人」にとっては嬉しい追加要素ですが、必須というほどではないと感じます。

概要

参加人数1~5人
プレイ時間40~70分
対象年齢10歳から
発売時期2019年~
メカニクス ダイスロール/タイル配置/ハンドマネジメント
ゲームデザイン エリザベス・ハグレイブ(Elizabeth Hargrave)

ウイングスパンは、エリザベス・ハグレイブがデザインした、鳥をテーマにしたタブロービルドゲームです。プレイヤーは鳥愛好家として、さまざまな鳥カードを自分のボードにプレイし、森・草原・湿地という3つの生息地に鳥を増やしていきます。ゲームは4ラウンドで構成されており、各ラウンドで行えるアクションの回数は「8回 → 7回 → 6回 → 5回」と減っていきます。

アクションが減っていくと聞くと不利に感じますが、その代わりにラウンドが進むほど自分のタブローが育ち、1回のアクションでできることがどんどん増えていきます。序盤は「餌1個を取るだけ」のアクションが、終盤には「餌を3つ取りつつ、複数の鳥の能力が連鎖して発動する」といった強力な行動に変わっていきます。この“少ない手数で大きなことができるようになる”成長感が、ウイングスパンの核になっています。

引用元:ウイングスパン(Stonemaier Games 公式)

感想

タブロービルドの気持ちよさと「成長していく手番」

ウイングスパンで一番好きなところは、ラウンドが進むほど1手の重みが増していく感覚です。最初のラウンドでは、餌を1つ取るだけ、カードを1枚引くだけ、といった小さな行動しかできません。しかし、鳥を少しずつ増やしていくと、同じ「餌を取る」アクションでも、餌が2つ、3つと増え、さらに鳥の能力が連鎖して追加の効果が発生します。

4ラウンドしかないゲームなのに、終盤には「この1手でここまでできるのか」と思うほど、アクションの密度が高くなります。アクション回数は減っているのに、やれることは増えている。このギャップがとても気持ちよく、タブロービルドの魅力がしっかり詰まっていると感じます。

カードの組み合わせを考える楽しさ

鳥カードは本当に種類が多く、それぞれ能力や巣の種類、生息地、得点などが違います。ある鳥は餌を得るのが得意で、ある鳥はカードを隠して得点に変え、また別の鳥は卵を増やすのが得意です。これらをどう組み合わせて、自分のタブローを「エンジン」として成立させるかを考えるのが、とても楽しいです。

例えば、「餌を増やす鳥」と「餌を消費してカードを隠す鳥」を同じ列に並べると、1回のアクションで餌を取り、その餌をすぐに別の効果に変えることができます。こうした小さなコンボを自分で見つけていく過程が、ウイングスパンの大きな魅力だと感じます。

終盤の「卵ラッシュ」が生むジレンマ

一方で、終盤になると「卵を産むだけが一番効率の良い行動」になりがちな点は、どうしても気になります。草原エリアをしっかり育てていると、1回のアクションで4個、5個と卵を置けるようになります。卵は1個1点なので、1手で4〜5点がほぼ確定する計算です。

その結果、「新しい鳥を出してコンボを広げたい」という気持ちよりも、「卵を産んだ方が点数的には得だな」という判断になりやすくなります。ゲームとしては正しい選択なのですが、感情としては少し物足りなさもあります。せっかくタブロービルドが楽しいゲームなので、最後まで新しいことをしたくなってしまうのです。

カードへの「愛着」が生まれにくいもどかしさ

ウイングスパンは、鳥の種類がとても多く、実在する鳥の名前がそのまま使われています。それ自体は素晴らしいことなのですが、私自身は、プレイ中に「この鳥が特別に好きになった」という感覚をあまり持てませんでした。名前も能力も多すぎて、1回のプレイで覚えきれないのです。

ファンタジー系のゲームであれば、「ドワーフ戦士」「エルフ弓兵」といったイメージしやすい存在が多く、カードに感情移入しやすいのですが、ウイングスパンの鳥たちは、どうしても「効果テキストを持ったカードの1枚」として見てしまいがちです。カードの機能性は高いのに、感情的なつながりが生まれにくいという、少し不思議な距離感を感じました。

運要素との付き合い方

カードの引きや、バードフィーダーの餌ダイスには、どうしても運の要素があります。欲しい生息地の鳥がなかなか出てこなかったり、必要な餌がいつまでも出なかったりすると、計画が崩れてしまうこともあります。

もちろん、餌が1種類しか残っていないときにダイスを振り直せるルールがあったり、カードの引きを補助する能力を持つ鳥もいたりするので、完全にどうにもならないわけではありません。それでも、「あと1枚、このタイプの鳥が欲しいのに…」というもどかしさは、ウイングスパンのプレイ感の一部として、常に付きまといます。

拡張「欧州の翼」「大洋の翼」について

●拡張「欧州の翼」

主に新しい鳥カードと、少し違った得点の取り方を増やす拡張です。新しい卵の色も追加されますが、ゲーム性に大きな変化があるというよりは、「もっといろいろな鳥で遊びたい人向け」の内容だと感じます。ウイングスパンをたくさん遊んでいて、カードのバリエーションを増やしたいなら、十分に価値があります。

●拡張「大洋の翼」

もう少しゲーム体験に踏み込んだ変更があります。新しいプレイヤーボード、新しい餌「ネクター」、それに関連する得点要素などが追加されます。ネクターはワイルドな餌として扱え、柔軟なプレイがしやすくなります。とはいえ、これらの拡張が入ったからといって、ウイングスパンそのものの本質が変わるわけではありません。どちらも「ウイングスパンが好きで、もっと遊びたい人のための追加パック」という位置づけだと感じます。

総評:4/5という評価に込めた気持ち

ウイングスパンは、遊ぶたびに「よくできたゲームだな」と感じます。ルールは分かりやすく、見た目も美しく、タブロービルドの気持ちよさもしっかりあります。プレイ時間も重すぎず、ボードゲームに慣れていない人とも一緒に遊びやすいです。

一方で、終盤の卵ラッシュや、カードへの感情的なつながりの薄さなど、個人的に「もう一歩ほしい」と感じる部分もあります。そのため、私の中での評価は5点満点中4点です。とても良いゲームであり、多くの人に勧められる作品ですが、自分の好みとしては、同じタブロービルドなら別の作品を選ぶこともある、という位置づけになります。

それでも、ウイングスパンがここまで多くの人に愛され、100万部以上売れているという事実には、強く納得させられます。タブロービルドというメカニクスを、ここまで分かりやすく、かつ魅力的な形でまとめたゲームは多くありません。タブロービルドに興味があるなら、一度は触れておきたい1本だと、心から思います。

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