『イッツアワンダフルワールド』は、短時間ながらも深い戦略性を味わえるカードドラフト&エンジンビルド型ボードゲームです。本記事では、Tom Vasel氏によるレビュー内容をもとに、プレイ感や魅力、戦略性について詳しく解説します。中量級ドラフトゲームに興味がある方に最適な一作です。
『イッツアワンダフルワールド』とは?
このゲームでは、近未来の国家を率いて、4ラウンドの間に効率的な資源生産と建物の建設を通して得点を競います。毎ラウンド、7枚のカードをドラフトし、それらを建設するか、資源に変換するかの判断を迫られます。
ゲームの進行は軽快ながら、リソースの連鎖構築や“次の一手”を見据えた戦略性が非常に高いことが特徴です。
レビュー概要:高評価の理由
リズムのあるドラフトとエンジンビルド
Tom Vasel氏は、「このゲームの最大の魅力は、リソースの連鎖とドラフトが絶妙に組み合わさっている点だ」と評価しています。
1枚のカードが完成すれば次の資源が生まれ、それでさらに別のカードを完成させる――このような「連鎖構築」による快感が、短時間で得られる点を非常に高く評価しています。
シンプルなのに“ゲーマーズゲーム”
Tom氏によれば、『イッツアワンダフルワールド』は一見すると軽いゲームに見えるものの、実際には「1時間以内に本格的な戦略思考を味わえる作品」と述べています。
リソースの最適配置、ポイントカードの選択、タイミング戦略など、短時間ゲームとは思えないほどの意思決定が求められるとのこと。
リプレイ性の高さとバランスの良さ
すべてのプレイヤーが同じ7枚からドラフトを始める点、勝利点ボーナスや国別能力の違いなどにより、毎回異なる展開が生まれるリプレイ性も高く評価。
また、終了時に特定リソースを最も生産したプレイヤーにボーナスが入る仕組みにより、単なる“点取り”ではない競争性が演出されています。
明快なデザインとコンポーネントの質
コンポーネントについても高評価。「資源キューブの視認性」「カードのアイコン設計」「色彩豊かなビジュアル」は、テーマに対する没入感を高め、ストレスなく遊べる要因となっていると述べています。
Tomが指摘した改善点
「得点カードの出現タイミング」に関する一考
Tom氏は唯一の改善点として、得点の高いカードがゲーム初期に現れると構築が難しくなる場面があると指摘しました。
ただし、「その場面こそが面白さ」であり、序盤から目標カードに向かって戦略を構築することが、このゲームの魅力でもあると語っています。
インタラクションは弱め、だが快適
プレイヤー間の干渉要素はドラフト時の「ヘイトドラフト(他人が必要そうなカードを取る)」のみですが、インタラクションが少ない分、プレイのテンポが良く、ストレスフリーであることもポイントです。
こんな人におすすめ
- 短時間で戦略ゲームを楽しみたい中級者〜上級者
- 『7 Wonders』などのドラフト系が好きな人
- エンジン構築によるリソース連鎖に快感を感じる人
まとめ:『イッツアワンダフルワールド』は洗練された中量級の傑作
『イッツアワンダフルワールド』は、45〜60分という短時間で奥深い戦略が楽しめる、非常に完成度の高いドラフト&構築型ゲームです。
Tom Vasel氏の言葉を借りれば、「このゲームは軽快な見た目とは裏腹に、しっかりと脳が鍛えられる“ゲーマーズ・ゲーム”」であり、経験者ほど繰り返し遊びたくなる中毒性を備えています。
ドラフトゲームやエンジン構築系ゲームに魅力を感じる方にとっては、間違いなく“買い”の一本と言えるでしょう。
コメント