オルレアンの拡張セットの中でも、特に強烈な存在感を放つのが「オルレアン:侵略」です。この記事では、Dice Tower の Tom Vasel による動画「Orléans Invasion review – with Tom Vasel」をもとに、拡張の全体像と、実際に遊んだ立場からの詳細なレビューをまとめています。
この記事を読むことで、「侵略」がどんな拡張なのか、どのモジュールが魅力的なのか、そしてなぜ多くのプレイヤーに強く支持されているのかが分かります。
結論:“協力ゲームとして最高峰”の完成度を持つ拡張
オルレアン:侵略は、複数のモジュールを含む大型拡張ですが、その中でも特に光るのが協力シナリオ「侵略」です。これは、オルレアンをまったく別のゲームへと変貌させるほどの完成度を持ち、重厚なユーロゲームの手触りと、協力ゲームならではの緊張感と達成感が見事に融合しています。
一方で、デュエルや繁栄などのモジュールは好みが分かれます。特に「繁栄」はランダム性が強く、Tom Vasel も「自分には合わなかった」と語っています。しかし、協力シナリオ「侵略」だけでも拡張を買う価値があるほど強烈で、“オルレアンを愛するなら必ず触れてほしい拡張”だと断言できます。
概要
| 参加人数 | 1~5人 |
| プレイ時間 | 90~120分 |
| 対象年齢 | 12歳から |
| 発売時期 | 2015年~ |
| メカニクス | 協力プレイ |
| ゲームデザイン | インカ・ブラント(Inka Brand)/マルクス・ブラント(Markus Brand)/ライナー・シュトックハウゼン(Reiner Stockhausen) |
オルレアン:侵略は、6つのモジュールを含む大型拡張です。
・3つのソロシナリオ
・2人用の「デュエル」
・2〜5人用の「繁栄」
・そして大型協力シナリオ「侵略」
それぞれが独立したルールを持ち、オルレアンの遊び方を大きく広げます。特に「侵略」は、複数の目標を全員で達成する必要があり、騎士の配置、資源の確保、塔の建設、市民トークンの獲得、そして個人目標の達成など、膨大なタスクを協力してこなしていきます。
ゲームの難易度は高く、常に敗北の影がつきまといますが、その分だけ成功したときの達成感は非常に大きいです。
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画像引用元:BoardGameGeek「Orléans: Invasion」
感想
ソロシナリオ:丁寧に作られているが、ソロを遊ばない人には刺さらない
拡張には3つのソロシナリオが含まれています。これらはランダムイベントではなく、あらかじめ決められたイベントが進行し、複数の目標を達成する必要があります。ソロプレイが好きな人には魅力的な内容ですが、Tom Vasel は「自分はソロを遊ばないので触れていない」と語っています。
ソロ専用の内容としては十分に作り込まれているものの、ソロを遊ばないプレイヤーにとっては大きな魅力にはならないでしょう。
デュエル:悪くないが、オルレアンの魅力は多人数にある
デュエルは、2人用に調整された対戦モードです。決められたイベントが進行し、複数の目標を先に達成したプレイヤーが勝利します。目標には「3つの発展レベルに到達」「3つの交易所を建てる」「ワインを城に3つ届ける」などがあります。
ただし、オルレアンの魅力は多人数でのインタラクションにあるため、デュエルは「悪くないが、拡張を買う理由にはならない」という印象です。目標を追うプレイは面白いものの、オルレアン本来の自由度が少し制限されるため、物足りなさを感じる場面もあります。
繁栄:ランダム性が強く、好みが大きく分かれるシナリオ
繁栄は2〜5人で遊べるシナリオで、特別なイベントや新しいカード、そして「大工」を使った移動システムが導入されます。プレイヤーはカードに書かれた都市へ大工を移動させ、条件を満たすことで得点を獲得します。
しかし、このシナリオには大きな問題があります。それは、商品タイルが裏向きで置かれるため、必要な商品を狙って取れないという点です。ワインが欲しくても、どこにあるか分からない。移動してもランダムに引くしかない。この仕様が非常にストレスになります。
さらに、大工は全員で共有するため、他のプレイヤーに動かされてしまい、自分の計画が崩れることも多いです。Tom Vasel はこのシナリオを「自分には合わなかった」と明確に述べています。
侵略:重厚なユーロ×協力ゲームの最高峰
そして、この拡張の真の主役が協力シナリオ「侵略」です。これは、オルレアンを完全に別物へと変えるほどの完成度を持ち、Tom Vasel も「これだけで拡張を買う価値がある」と断言しています。
侵略では、プレイヤー全員で6つの大目標を達成する必要があります。
・騎士を規定数配置する
・市民トークンを規定数集める
・大量の資源(穀物・チーズ・ワイン)を納める
・13の国境都市すべてに塔を建てる
・大量の金を支払う
・各プレイヤーの個人目標を達成する
個人目標は非常に厳しく、「技術タイル4枚+騎士トラックの最後まで到達」「3種類の資源で16点+2つの酒場を建てる」「市民2人+10金を保持」など、どれも簡単ではありません。さらに、毎ラウンドのイベントがランダムで発生し、良いものも悪いものも混ざっています。
このシナリオの魅力は、常に敗北の影がつきまとう緊張感と、協力して突破したときの圧倒的な達成感です。資源が足りない、金が足りない、塔がまだ建っていない、イベントが襲いかかる…。その中で、全員が「どう動けばチームに貢献できるか」を考え続けます。
Tom Vasel はこのシナリオを「重厚なユーロ協力ゲームとして最高レベル」と評価し、「今年の協力ゲームの中でもトップクラス」とまで語っています。
協力ゲームとしての完成度が圧倒的に高い
侵略の魅力は、単にタスクが多いだけではありません。プレイヤー同士が助け合うための「支援ボード」が用意されており、資源・金・人物を送り合うことができます。また、他プレイヤーのアクションを借りることも可能で、協力の幅が非常に広いです。
その結果、ゲーム中は常に「どうすれば仲間を助けられるか」「どのタスクを優先すべきか」という相談が飛び交い、自然と一体感が生まれます。これは、通常のオルレアンでは味わえない体験です。
難易度は高く、敗北することも多いですが、勝利したときの喜びは格別です。Tom Vasel も「勝てたときは本当に嬉しかった」と語っており、協力ゲームとしての完成度は非常に高いと感じています。
総評:侵略だけで買う価値がある、オルレアンの決定版拡張
オルレアン:侵略は、複数のモジュールを含む大型拡張ですが、その中でも「侵略」は圧倒的な完成度を誇ります。ソロやデュエル、繁栄は好みが分かれるものの、協力シナリオは別格です。
オルレアンが好きで、協力ゲームも好きなら、この拡張は必ず刺さると断言できます。むしろ、協力ゲームとして見てもトップクラスの出来で、オルレアンを持っているなら一度は体験すべき内容です。
Tom Vasel の最終評価は「協力ゲームとして素晴らしい」。まさにその言葉通り、オルレアン:侵略は、オルレアンの世界を新たな次元へと押し上げる傑作拡張です。
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