この記事では、動画「’Zoo Tycoon: The Board Game’ Ark Nova Review」の内容をもとに、動物園経営をテーマにした重量級ボードゲーム『アーク・ノヴァ』をレビューします。
動画では、複雑そうに見えるシステムが実際には「動物園を作る楽しさ」に直結していること、カードやアクションの仕組みがユニークであること、そしてプレイ中に感じる緊張感や達成感について語られています。ここではその内容を踏まえ、『アーク・ノヴァ』の魅力と課題を詳しくレビュアー視点で紹介します。
結論:『アーク・ノヴァ』は“動物園経営の夢と複雑な戦略が融合した傑作”
『アーク・ノヴァ』は、動物カードやスポンサーカードを組み合わせて自分だけの動物園を作り上げるゲームです。プレイ中は大量のアイコンや条件に圧倒されるものの、少しずつ施設や動物を揃えていく過程が確かな達成感を生むのが特徴です。
このゲームを遊んでいて、ただ点数を競うだけではなく、自分の動物園を形作る喜びを強く感じました。複雑さゆえに集中力を求められますが、その分だけ深い満足感が得られる作品です。
『アーク・ノヴァ』の概要
| 参加人数 | 1~4人 |
| プレイ時間 | 90~150分 |
| 対象年齢 | 14歳から |
| 発売時期 | 2021年~ |
| メカニクス | タイル配置/ハンドマネジメント/ドラフト/プレイヤー別固有能力 |
| ゲームデザイン | マティアス・ウィッジ(Mathias Wigge) |
プレイヤーは空の敷地からスタートし、六角形のエリアに動物のための施設を建設していきます。動物カードにはそれぞれ条件があり、水辺や岩場が必要だったり、特定の研究が進んでいないと配置できなかったりします。
さらに、動物以外のスポンサーカードもあり、教育プログラムや専門家の導入などで動物園を強化できます。
アクションカードは5種類あり、使用するたびに位置が変わり、カードの位置によって効果の強さが変化するユニークな仕組みがゲームの核となっています。



※引用元:Capstone Games公式サイト『Ark Nova』商品ページ
感想
動物園を作る楽しさ
『アーク・ノヴァ』の最大の魅力は、自分の動物園を少しずつ形にしていく過程です。プレイ中、動物カードを引くたびに「どんな施設を作ろうか」とワクワクしました。
ペッティングズーを作って子どもたちを呼び込んだり、大きな爬虫類館を建てたりと、テーマがプレイ感覚に直結しているのが素晴らしいです。
単なるアイコンの組み合わせではなく、動物園を経営している実感が強くありました。
アクションカードの仕組みが生む緊張感
アクションカードの位置によって効果が変わる仕組みは、常に悩ましい選択を迫るものです。「カードを引きたいけれど、まだ位置が弱いから待つべきか」「今すぐ動物を出したいけれど、効果が足りない」といったジレンマに何度も直面しました。
これがゲーム全体に緊張感を与え、戦略的にタイミングを見極める面白さを生んでいます。
複雑さと達成感のバランス
『アーク・ノヴァ』は確かに複雑です。収入、評判、保全、魅力など複数のトラックを管理し、カードの条件を満たすために研究や施設を進める必要があります。
最初は「アイコンだらけで混乱する」と感じましたが、少しずつ理解が進むにつれてシステムがつながり、動物園が完成していく達成感が得られました。
初回は得点が低くても、2回目、3回目と遊ぶうちにスコアが伸びていくのが嬉しく、成長を実感できるゲームです。
運要素と競技性の課題
一方で、カードの引きによる運要素は大きな影響を与えます。私は最後のターンで偶然引いたカードが自分の戦略に完全に合致し、大量得点につながったことがありました。
これは嬉しい反面、競技的な公平性を損なう要素でもあります。特に得点条件カードが引けないと、努力が報われない場面もあり、運と戦略のバランスに課題を感じました。
テーマ性と現実とのギャップ
私はこのゲームのテーマをとても気に入っていますが、同時に少し楽観的すぎると感じる部分もありました。スポンサーは常にプラスの効果をもたらし、現実のような妥協や負の側面は描かれていません。
実際の保全活動は複雑で、資金源に矛盾があることも多いのですが、ゲームではそこが省略されています。テーマをリアルに描くよりも遊びやすさを優先しているのだと思いますが、私にとっては少し物足りなさもありました。
まとめ:『アーク・ノヴァ』は“複雑さの中に確かな楽しさがある動物園経営ゲーム”
『アーク・ノヴァ』は、複雑なシステムを持ちながらも、動物園を作る楽しさを強く感じられるゲームです。カードの引きによる運要素やテーマの楽観性に課題はありますが、自分の動物園を完成させる達成感は他のゲームでは得られない魅力です。
私はこのゲームを遊ぶたびに新しい発見があり、戦略とテーマが見事に融合した作品だと感じています。動物園経営に興味がある人、複雑なパズルを楽しみたい人にはぜひおすすめしたい一作です。


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