文明発展系ボードゲームの新たな形として注目を集める『ハダラ(Hadara)』。今回は、Claudia Bazán氏によるレビューをもとに、その魅力とプレイ感を詳しくご紹介します。アラビア語で「文明」を意味する名を持つこのゲームが、どのような独自のドラフトシステムでプレイヤーを魅了するのか、じっくり見ていきましょう。

レビュアーの評価は7.5/10!高品質なコンポーネントと、ホイールを使ったスピーディーなドラフトが絶賛されていますが、一方で繰り返し遊ぶ中での戦略の固定化についても触れられています。
結論:スピーディーな拡大再生産が楽しめる文明発展ゲームの佳作
『ハダラ』は、文明発展という壮大なテーマを扱いながら、1時間程度でサクサクと遊べる非常にスマートな設計のゲームです。
独自のホイールシステムによるカードドラフトは新鮮で、ダウンタイム(待ち時間)がほとんどないため、最初から最後まで緊張感を持ってプレイできます。
リプレイ性については、特定の強力な戦略に寄ってしまう懸念もありますが、中量級ゲームとしての完成度は非常に高く、多くのプレイヤーを満足させる内容になっています。
ハダラの概要
| 参加人数 | 2~5人 |
| プレイ時間 | 45~60分 |
| 対象年齢 | 10歳以上 |
| 発売時期 | 2019年 |
| メカニクス | カードドラフト、セットコレクション、拡大再生産 |
| ゲームデザイン | ベンジャミン・シュヴェア |

画像引用元:Z-Man Games公式サイト「Hadara」紹介ページ
プレイヤーは文明の指導者となり、3つの時代を通じて様々な地域や時代の人々を仲間に加え、自分の文明を反映させていきます。ゲームの核心となるのは、ボード中央にある「ホイール」です。これにより、各プレイヤーがどの色の山札からカードを引くかが決まります。資源には「経済(黄)」「軍事(赤)」「文化(青)」「農業(緑)」の4種類があり、これらをバランスよく伸ばしていくことが求められます。

各時代はフェイズAとフェイズBに分かれています。フェイズAではホイールが指す色の山札からカードを引き、「購入」して自分の文明に加えるか、「売却」してお金にするかを選びます。購入を選んだ場合、その色のカードをすでに持っていれば割引が受けられるため、中盤以降の爆発的な成長(拡大再生産)の爽快感は格別です。フェイズBでは、他のプレイヤーが捨てたカードから選ぶことになるため、より計画的な動きが重要になります。

また、単にカードを集めるだけでなく、軍事力を使って「植民地」を占領したり、文化レベルを上げて「彫像」を制作したりといった要素もあります。さらに、時代の終わりには自分の文明の人口(カード枚数)に応じた「食料」が必要になるため、農業をおろそかにするとせっかく集めたカードを捨てなければならなくなります。資源、お金、得点源、そして食料のバランスを常に考え続ける、パズル的な楽しさが凝縮されたゲームです。
ハダラの感想と評価
目を引くコンポーネントと「ホイール」の魅力
まず目を引くのが、コンポーネントの質の高さです。カード、ボード、マーカー類はすべて非常に良いクオリティで作られています。特に中央の回転するホイールは、初めて遊ぶプレイヤーを常に驚かせ、楽しませてくれる素晴らしい要素です。このホイールによって毎ラウンド異なる色のカードからドラフトが始まる仕組みは、見た目の面白さだけでなく、ゲーム展開に変化を与える機能的な役割も果たしています。
スピーディーでダイナミックなカードドラフト
カードドラフトのメカニクス、そしてその後に続く各ステップは非常にスピーディーでダイナミックです。手番の間の処理が少なく、ゲーム全体が非常にスムーズに進むため、文明発展ゲームにありがちな「待ち時間の長さ」を感じることがありません。特にフェイズBで、公開されているカードの中から自分にとって最適な1枚を選び抜く過程は、非常にオリジナルでやりがいのある体験になります。
戦術と戦略の絶妙なバランス
このゲームは、お金、資源、カードの枚数を常にバランスさせなければならないため、かなりの戦術的思考が求められます。単に軽いゲームだと思っていると、最適化を極めようとした瞬間に、高い思考負荷を感じることになるでしょう。
リプレイ性と戦略の多様性についての懸念
一方で、リプレイ性については少し気になる点があります。私のグループで何度も遊んでいるうちに、特定の非常に有利な戦略が見つかってしまい、毎回似たような展開になりがちだという声も上がりました。具体的には「富(経済)に特化する」か、あるいは「軍事と文化を強力にバックアップする」かという、大きく分けて2つの必勝パターンに近いものが見えてしまいます。そのため、遊ぶグループによっては「前と同じことをしている」という感覚に陥ってしまうかもしれません。
しかし、高い思考負荷を伴うドラフトゲームが好きで、あまり他では見られないユニークなメカニクスを楽しみたいのであれば、このゲームは非常におすすめです。中量級ゲームとしての魅力は十分で、多くのプレイヤーを魅了する力を持っています。以上の理由から、私はこのゲームに7.5/10の評価を与えます。文明発展の楽しさを短時間で味わいたいなら、間違いなく手に取る価値のある一作です。

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