今回は、The Dice Towerの動画「Looot Review – Jaarl of the Fjoord」をもとに、おきざり島のバイキングがどんな遊び心地なのかを、字幕の内容に沿ってまとめます。
おきざり島のバイキングは、spielにノミネートされた作品として取り上げられており、バイキングを置いて資源や建物を集め、自分のボードで得点を伸ばしていくタイル配置ゲームです。
今回は、遊びの流れ、見た目の印象、手軽さ、戦術性、そして気になる点までを整理していきます。

遊びやすくて戦術的なおもしろさはしっかりある一方で、見た目の地味さや、何度も続けて遊んだときの変化の弱さも気になります。軽めのパズルとして楽しめるかどうかで印象が分かれそうです。
結論:手堅くまとまった作品だが、強く心をつかまない
おきざり島のバイキングは、全体としてはしっかり遊べる、手堅いタイル配置ゲームです。バイキングを共通ボードに置き、資源や建物を集めて、自分のボードでそれをうまく組み合わせながら得点を伸ばしていく流れはとても分かりやすく、教えやすさもかなり高いです。

メカニクス『タイル配置』は↓の記事で深く考察しています!
一方で、毎回の手触りがそこまで大きく変わらず、驚くような展開や「これだ」という強い見せ場は出にくいです。面白くないわけではありませんが、すごく熱が上がるタイプというよりは、ちゃんと仕事をしてくれる、無難で安定したゲームという印象です。
評価としても、ひとりは7点、もうひとりは6点です。どちらも悪い点数ではありませんが、熱狂的に推したくなるというより、軽めで戦術的なパズルを気持ちよく遊びたいときにちょうどいい作品です。
概要
| 参加人数 | 2~4人 |
| プレイ時間 | 35分前後 |
| 対象年齢 | 10歳~ |
| 発売時期 | 2024年~ |
| メカニクス | タイル・カード配置/モジュラーボード/路線・ネットワーク形成/パズル |
| ゲームデザイン | シャルル・シュヴァリエ(Charles Chevallier)/ローレン・エスコフィエール(Laurent Escoffier) |

画像引用元:Gigamic公式サイト
おきざり島のバイキングは、spielにノミネートされた作品です。タイトルは「Looot」で、Oが3つ入っていて、ロゴもバイキング船のように見えます。名前は少し検索しにくいですが、ロゴ自体はかなり良い感じです。

ゲームの中身は、共通ボードにバイキングを置いて資源や建物を取り、自分のフィヨルドボードにそれらを配置して得点を伸ばしていく形です。家の隣に置けば家を取り、見張り塔は自分のバイキングでつなぎ、要塞はまとまった人数で接して取っていきます。さらにロングシップを取って、必要なものをそろえると得点の伸び方が変わります。

ルールの骨組みはとても分かりやすく、1手番でやることもはっきりしています。置く、取る、ボードに配置する、必要ならロングシップを取る、という流れで進みます。ゲーム中には1回だけ使える特殊能力も3種類あり、もう1人置く、誰かが置いたところに置く、もらえる資源を2倍にする、といった使い切りの効果があります。
また、箱絵はとても魅力的で、鮮やかで、見た目の印象がかなり良いです。一方で、実際に広げた盤面は緑が多く、全体の見た目はあまり派手ではなく、少し昔のゲームのようにも見えます。この箱絵と実際の盤面の印象差は、おきざり島のバイキングを語るうえでかなり大きい部分です。
感想
とにかく教えやすく、すぐに遊び始められる軽さがあります
おきざり島のバイキングの大きな強みは、まずルールの分かりやすさです。やることはかなり素直で、バイキングを1人置いて、資源を取り、ときには建物も取り、自分のボードに置くだけです。しかも置ける場所の考え方も簡単で、すでにあるバイキングかロングシップの近くなら置けます。数手進めば置ける場所はかなり広がるので、窮屈すぎる感じもありません。
1回だけ使える能力も覚えやすく、教えるハードルはかなり低いです。重い説明を聞いてから遊ぶタイプではなく、すぐに触り始めて、置きながら感覚をつかみやすい作品です。家族や軽めのゲーム会にも入れやすい素直さがあります。
軽いルールのわりに、戦術的な手応えはしっかりあります
ルールは軽いですが、だからといって中身が薄いわけではありません。新しく出てきたタイルを見て、「ここにはすでに羊と剣がそろっているから、これを取ればすぐ完成に近づく」と考えたり、今ある配置から次に何を狙うかを調整したりと、毎手番でしっかり小さな判断があります。
特に、自分のボード上で置いたもの同士がかみ合っていく感覚はかなり良いです。ひとつ完成すると、それが次に何を狙うべきかのヒントになり、また次の配置につながります。軽いパズルを解き続けるような心地よさがあり、ここは素直に魅力です。
全部を好きなように取れるわけではなく、ロングシップを取りすぎると未完成で失点しますし、建物の取り合いもあります。そのため、足し算の気持ちよさだけではなく、少し足を止める判断も必要になります。この押し引きが、ゲームをただの作業にしない大事な部分になっています。
建物の取り合いと大きな群れ作りには、ちょうどいい緊張感があります
家、見張り塔、要塞の取り方がそれぞれ違うのも、おきざり島のバイキングの見どころです。家は隣に置けばよく、見張り塔は自分のバイキングでつなぎ、要塞はまとまった人数で接する必要があります。この違いがあるので、ただ空いているところに置くだけではなく、「ここで塔をつなぐか」「大きな群れを作るか」「まず家を確保するか」という小さな悩みが生まれます。
特に建物は数に限りがあるので、そこはちゃんと気をつけなければなりません。誰かに最後の家を取られたり、塔を先につながれたりすると予定が崩れます。資源自体は比較的取りやすい一方で、建物の先取りにははっきりした緊張感があるのが、このゲームの程よい刺激になっています。
見た目はかなり惜しく、箱絵との落差が大きいです
見た目については、かなり惜しいです。箱絵は鮮やかで魅力的で、とても目を引きます。アーティストの絵も良く、バイキングの雰囲気も感じられます。ところが実際に広げると、全体が緑寄りで、木の板っぽい裏面まで少し緑がかっていて、盤面があまり映えません。
アイコンそのものは見分けにくすぎるわけではありませんが、色の使い方にはもっと遊びがほしいです。明るい色や強い差し色が入っていれば、もっと見やすく、もっとわくわくする盤面になったはずです。遊びやすさより前に、見た目で少し損をしている印象があります。
しかもこの見た目の地味さは、雰囲気だけの問題ではなく、終盤の得点確認のしづらさにも少し影響しています。盤面を見渡したときに少しごちゃっと見えやすく、どこを見ているかを確認し直したくなる場面があります。
毎回の流れが似やすく、繰り返し遊んだときの変化は強くありません
おきざり島のバイキングでいちばん気になるのは、ここかもしれません。プレイごとの立ち回りに多少の違いはありますし、セットアップの変化もあります。ですが、遊んでいる感覚としては毎回かなり似やすく、短い間に何度も続けて遊ぶと少し単調に感じそうです。
「今回は羊を集めた」「今回は別のものを集めた」という違いはあっても、根本の手触りは大きく変わりません。だからこそ、安定して遊べるとも言えますが、逆に言うと、強い新鮮さや大きな驚きは出にくい作品でもあります。
また、先の見通しを深く立てるタイプでもありません。特に3人以上だと、ほかの人の手番で場が変わるので、自分の番が来る前に細かく読み切るのは難しくなります。そのため、長期計画をじっくり積むというより、その場その場でうまく反応していくプレイ感が中心になります。
2人戦のほうが計画性を感じやすく、人数が増えるとより戦術寄りになります
人数による手触りの違いもかなり分かりやすいです。2人ならロングシップを見ながら少し先の計画を立てやすく、欲しいものが残るかどうかもある程度読めます。ところが3人、4人になると、そのあいだにどんどん取られていくので、「自分の番で何が残っているか見てから考える」感覚が強まります。
その意味で、おきざり島のバイキングは人数が増えるほど戦術寄りになります。深く読み合うというより、今ある材料でうまく形を作る方向に寄っていきます。しっかり考えたいなら2人のほうが相性が良さそうです。
総評:軽い戦術パズルとしては良作ですが、強い決め手までは届きません
総合すると、おきざり島のバイキングは悪いゲームではありません。むしろ、軽く遊べて、教えやすくて、ちゃんと考えどころもある、よくできた作品です。
置いて、取って、そろえて、得点の伸び方を変えていく流れにはきちんと楽しさがありますし、その小さな連鎖も気持ちよさがあります。
ただ、見た目の地味さ、プレイ感の似やすさ、強い驚きの少なさがあるので、特別な一本として強く残るかというと少し違います。「しっかりまとまっているけれど、そこまで熱狂はしない」という空気があります。
軽めの戦術パズルが好きで、遊びやすいタイル配置ゲームを探しているなら、十分に前向きに見られる作品です。


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