パターン構築型ボードゲームの流れを受け継ぎつつ、独自の癒し要素と視覚的美しさを兼ね備えた話題作『ハーモニーズ』。本記事では、ボードゲームレビューサイト「Dice Tower」による詳細なレビューをもとに、本作の魅力や評価、懸念点を徹底的に解説します。『カスカディア』や『カリコ』のファン必見です。
ゲーム概要:美しい自然をパターンで表現するパズルゲーム
『ハーモニーズ』は、プレイヤーが六角形のタイルを積み重ねながら、動物カードに記された地形のパターンを再現していく中量級パズルゲームです。各ターンでタイルを獲得・配置し、地形の高さや並びで動物を呼び寄せることを目指します。
さらに、山・川・木などのシンプルな地形構築でも得点できるため、プレイスタイルに応じた自由な構築が可能です。ルールは比較的シンプルながら、戦略と運のバランスが問われます。
レビュー評価:癒しと直感を重視したユニークな体験
『ハーモニーズ』に対する Dice Tower レビュー陣(トム・ヴァッセル、ジョイ・エヴァンズ、マイク・デリソ)の評価は、5点から8点と幅広いスコアでした。それぞれの視点から見た評価ポイントを紹介します。
コンポーネントとアートワーク:圧倒的なビジュアル美
レビュー全員が絶賛したのはそのアートとコンポーネントの美しさ。木製のカラフルなタイル、シンボルによる識別性、カードのイラスト、そしてコンパクトな箱サイズまで、「まさに手に取って楽しい作品」として評価されました。
特に紙細工風のアートスタイルは、視覚的にもゲーム性にも調和しており、「視る・触れる・配置する」すべての動作に癒しを与えてくれます。
プレイ感:頭を使うがストレスが少ない“穏やかな悩ましさ”
プレイヤーは手元のボード上にパターンを再現して動物カードを完成させたり、地形構築によって得点を稼いだりしますが、他プレイヤーの盤面に直接干渉することはありません。そのため「マイペースで思考に没頭できる」という特長があります。
「他人に妨害されない分、ストレスがない」「山や木をただ並べるだけでも達成感がある」など、“リラックスしながらプレイできる”という点がトムとジョイの評価を高めました。
懸念点:運要素とパターン制約の重なり
一方、マイクは「運の要素が強く、カード運やドロー運に左右されやすい」とし、他のパターンゲーム(カスカディアやアズール)と比べて中毒性に欠けると評価。中でも、「カードを引いたら即座に完成して得点できる」といった偶発的得点が出る点を大きな弱点と指摘しています。
また、タイルを積み重ねるルールがやや複雑で、慣れるまではプレイエイドが欲しくなる点も懸念として挙げられました。
ゲーム性の自由度と冗長性
「制限が多い」「ボードが狭い」といった点はマイナス要素とされる一方で、「得点手段が複数あるため柔軟な対応が可能」との評価もあり、意見が分かれました。
「カードが埋まらないなら山や川を伸ばすという代替案があるのは魅力」「制限が苦にならない」という声がある一方で、「制限が多く自由に展開できない」という不満もあり、プレイヤーの好みによって大きく印象が変わる作品といえます。
総評:癒しを重視した“見せる”パズルゲーム
『ハーモニーズ』は、視覚的な満足度とリラックスしたプレイ感を重視するプレイヤーには非常に適した作品です。パズルゲームに慣れていない層や、カジュアルなゲーム会にも導入しやすい一方で、運要素や構築の制約を気にするゲーマー層からは賛否が分かれる結果となりました。
Dice Towerの最終評価は:
- トム:8/10(リラックス感とビジュアル性を重視)
- ジョイ:7/10(程よい制約と癒しの両立)
- マイク:5/10(他作品に比べて戦略性と耐久性に欠ける)
「しばらくすれば話題から消えるかもしれないが、今この瞬間は心地よく楽しめる」。そんな“旬の癒しゲー”としておすすめできる一作です。

まとめ:
『ハーモニーズ』は、短時間で自然と戯れながらパズルを楽しめる、非常にアート性と没入感に優れた作品です。1人でじっくり取り組んでも良し、家族で穏やかに競っても良し。カスカディアのような作品が好きな方にとって、新たな癒しの一手となるでしょう。
この記事は、Dice TowerによるYouTubeレビュー『Harmonies Review: In Harmony With Nature』をもとに構成・要約した内容です。
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