重ゲーだがテンポ良!『テオティワカン:シティオブゴッズ』レビュー

重ゲーだがテンポ良!『テオティワカン:シティオブゴッズ』レビュー ダイスプレイスメント

「テオティワカン:シティオブゴッズ」は、古代メキシコの巨大ピラミッド建設をテーマにした重量級ボードゲームです。 本記事では、Dice TowerのTom Vasel氏によるレビュー動画「Teotihuacan Review – with Tom Vasel」の内容をもとに、ゲームの魅力と注意点を詳細に解説します。

動画では、ゲームの構成要素やプレイ感、リプレイ性、インタラクションの度合いなどが具体的に語られており、初見では圧倒されがちなこの作品の本質に迫る内容となっています。

結論

「テオティワカン:シティオブゴッズ」は、視覚的な美しさと戦略的な選択肢の豊富さが際立つ作品です。巨大な盤面と多彩なアクションに最初は圧倒されるかもしれませんが、プレイを重ねるごとにその奥深さが見えてきます。

ダイスを使ったアクション選択と成長システムはユニークで、プレイヤーの思考力と計画性が試されます。

一方で、テーマ性やコンポーネントの一部には改善の余地もあり、万人向けとは言い切れません。とはいえ、戦略ゲーム好きには非常に満足度の高い一作です。

ゲームの概要

プレイヤーは古代都市テオティワカンの建設者となり、ダイスをワーカーとして使いながら、ピラミッドの建設、寺院への奉納、技術の獲得などを通じて勝利点を競います。

ダイスは移動するたびに成長し、最大値に達すると「昇天」してボーナスを得る仕組みです。

ゲームは3回の「日食」フェイズを経て終了し、その間にどれだけ効率よく資源を使い、アクションを重ねられるかが鍵となります。

感想

コンポーネントと盤面の印象

まず目を引くのは巨大な盤面と中央にそびえるピラミッドです。木製のタイルを積み上げていくことで、実際に建設している感覚が味わえます。

Tom氏も「見た目のインパクトは抜群」と評価しており、ゲームが進むにつれて盤面が立体的に変化していく様子は、視覚的にも満足度が高いです。

ただし、モジュール式のボードを組み合わせることでランダム性を高めることもできますが、盤面がやや煩雑になるという指摘もありました。

ダイスの成長とアクション選択

本作の最大の特徴は、ダイスが単なるランダム要素ではなく、成長するワーカーとして機能する点です。ダイスの目が高いほど強力なアクションが可能になり、複数のダイスを同じ場所に集めることでさらに効果が増します。

Tom氏は「この成長システムがプレイヤーの計画性を刺激する」と述べており、どのタイミングでどのダイスを使うかが重要な判断材料になります。

インタラクションの度合い

インタラクションは控えめながらも、他プレイヤーのダイス配置によってアクションコストが変動する仕組みがあり、間接的な駆け引きが生まれます。

例えば、ある場所に複数の色のダイスがあると、そこに入るためのココア(通貨)コストが増加します。

Tom氏は「他人の動きが自分の選択に影響を与えるのが面白い」と語っており、完全なソロプレイ感ではない点が評価されています。

リプレイ性とモジュール性

ゲームにはモジュール式のボードやランダム配置の技術タイルがあり、毎回異なる展開が楽しめます。Tom氏も「20回以上遊ばない限り、飽きることはない」と述べており、リプレイ性は非常に高いです。

さらに、ソロプレイ用のコンポーネントも用意されており、1人でもじっくり楽しめる設計になっています。

テーマ性と没入感

テーマについては賛否が分かれる部分です。Tom氏は「ピラミッド建設というテーマは魅力的だが、実際のプレイ感は抽象的」と指摘しています。

確かに、資源を集めて勝利点に変換する流れはユーロゲーム的で、物語性や歴史的背景を深く感じる場面は少ないかもしれません。

ただし、ピラミッドの視覚的な構築や寺院への奉納など、部分的にはテーマを感じられる要素もあります。

テンポとプレイ時間

プレイ時間は約90分〜120分とやや長めですが、アクション選択が明快で、ダウンタイムが少ないため、テンポは良好です。

Tom氏は「選択肢は多いが、迷いすぎることはない」と評価しており、プレイヤーが常に何かしらの有効な手を打てる設計になっています。

特にダイスの移動範囲が限られているため、選択肢が自然と絞られるのもテンポ維持に貢献しています。

総合評価

「テオティワカン:シティオブゴッズ」は、戦略性・視覚的魅力・リプレイ性の三拍子が揃った良作です。テーマ性やコンポーネントの一部に改善の余地はあるものの、ダイスの成長やアクションの選択肢、プレイヤー間の間接的な駆け引きなど、プレイ体験は非常に充実しています。

ユーロゲーム好き、特に「ツォルキン」や「グレート・ウェスタン・トレイル」などの計画型ゲームが好きな方には、ぜひ一度試してほしい作品です。

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