この記事では、ボードゲームレビュー番組「The Dice Tower」の動画「Pirates of Maracaibo Review – My Treasure is Yours to Find」をもとに、『マラカイボの海賊たち』の魅力を徹底的に紹介します。
動画では、2人のレビュアーが実際にプレイした感想を深く語り、ゲームの構造、遊び心地、戦略性、そしてオリジナル版『マラカイボ』との違いについて詳しく触れていました。
本記事では、その内容を分かりやすくまとめつつ丁寧にレビューしていきます。
結論:“軽快さ”と“エンジン構築の満足感”を両立した中量級の良作
『マラカイボの海賊たち』は、カードの獲得とエンジン構築を中心に据えた中量級のボードゲームです。プレイヤーは海賊船を動かし、カードを購入し、宝物を集め、埋め、探索し、さまざまな方法で得点を伸ばしていきます。ゲームのテンポは軽快で、3ラウンドという短さにもかかわらず、しっかりとエンジンが育つ満足感があります。
また、カードの配置や島の構造が絶妙で、ランダム性と安定性のバランスが良く、毎回違う展開を楽しめます。アイコンの多さや探索トラックの報酬の偏りなど、細かな気になる点はあるものの、全体としては非常に遊びやすく、リプレイ性の高い作品です。
概要
| 参加人数 | 1~4人 |
| プレイ時間 | 40~100分 |
| 対象年齢 | 12歳から |
| 発売時期 | 2023年~ |
| メカニクス | ダイスロール |
| ゲームデザイン | ラルフ・バイナート(Ralph Bienert)/ライアン・ヘンドリクソン(Ryan Hendrickson)/アレクサンダー・フィスター(Alexander Pfister) |
『マラカイボの海賊たち』は、カリブ海を舞台にした海賊テーマのボードゲームです。プレイヤーは自分の船を動かし、最大3マスまで移動しながら、カードを獲得したり、島でボーナスを得たり、宝物を集めたりします。ゲームは3ラウンドで構成され、各ラウンドの終わりには港に到達したプレイヤーがラウンド終了を引き起こします。
カードには大きく3種類があります。
● 島カード:止まると固定のボーナスが得られる安定したスポット。
● 屋敷カード(エンドゲーム得点):条件に応じてゲーム終了時に得点。
● 改良カード:購入して自分のタブローに加える。継続効果・即時効果・得点効果などがある。
また、宝物(エメラルド・金・真珠)を集めて価値を上げたり、埋めて得点化したり、探索トラックを進めて追加ボーナスを得たりと、得点源が多様です。エンジン構築とセットコレクションが組み合わさった、自由度の高いゲームになっています。



引用元:Pirates of Maracaibo(Capstone Games 公式)
感想
カードの構造が絶妙で、ランダム性と安定性のバランスが良い
まず強く感じたのは、カードの配置構造がとてもよくできているという点です。島カードは固定で、毎回同じ場所にあり、必要なときに必ず立ち寄れる安心感があります。一方で、改良カードは購入されるたびに新しいカードが補充され、ゲームが進むほど強力なカードが出てくるため、毎回違う展開が生まれる楽しさがあります。
この「固定」と「変動」のバランスが絶妙で、完全ランダムなゲームにありがちな“運に振り回される感覚”がありません。むしろ、変動するカードの中から自分の戦略に合うものを見つけるワクワク感が強く、カードをめくるたびに「次はどんなカードが出るんだろう」と期待が高まります。
移動の自由度が高く、プレイ感がとても軽快
船の移動は最大3マスまでで、縦横どちらにも進めるため、行きたい場所にかなり自由にアクセスできます。これはオリジナル版『マラカイボ』の“7マス移動の大きな円環”とは異なり、より自由で直感的な移動が可能です。
その結果、プレイ感が非常に軽快で、「あのカードが欲しいから次のターンで取りに行こう」といった短期的な計画が立てやすく、ストレスがありません。移動の自由度が高いことで、戦略の幅も広がり、プレイヤーごとに違うルートや目的地を選べるのが楽しいです。
エンジン構築が気持ちよく、短いラウンドでもしっかり育つ
ゲームは3ラウンドしかありませんが、改良カードの効果や宝物の価値上昇、探索トラックのボーナスなど、エンジンが育つ要素が多く、短い中でもしっかりと成長を感じられます。
特に、赤バナーの継続効果カードを複数揃えたときの爆発力は爽快で、戦闘時の強化や収入アップなど、さまざまな方向にエンジンを伸ばせます。私はこの「少しずつ強くなっていく感覚」がとても好きで、毎ラウンドの収入フェイズが楽しみになりました。
探索トラックの存在がゲームに“冒険感”を与えている
探索トラックは、進むたびにボーナスが得られるミニゲームのような存在で、ゲームに冒険感を与えています。序盤は強力なボーナスが多く、中盤はやや地味な報酬が続き、終盤に再び大きな報酬が現れる構造になっています。
この“山あり谷あり”の構造が面白く、「中盤の地味な報酬をどう乗り越えるか」が戦略の分岐点になります。終盤の強力な報酬を目指して一気に駆け抜けるのも楽しく、探索トラックはゲーム全体のテンポを調整する重要な要素だと感じました。
宝物の価値変動がゲームに緊張感を生む
宝物(エメラルド・金・真珠)は、ゲーム中に価値が上下します。特定の島に立ち寄ることで価値が上がったり、誰も立ち寄らないと価値が下がったりするため、市場のようなダイナミックな動きが生まれます。
「今はエメラルドが安いけど、次のラウンドで誰かが価値を上げるかもしれない」「金が高いから今のうちに集めておこう」といった判断が必要で、宝物の価値変動はゲームに緊張感と読み合いをもたらします。
アイコンの多さは気になるが、慣れれば問題ない
唯一気になったのは、アイコンの種類が多く、初見では少し混乱しやすい点です。特に似た形のアイコンが複数あり、最初の数回はルールブックを確認する場面が多くなります。
ただし、ゲームの構造自体はシンプルで、カードの効果も直感的なものが多いため、数回遊べば自然と覚えられます。むしろ、アイコンが多いことで情報量が増え、戦略の幅が広がっているとも感じました。
総評:中量級エンジンビルドの優秀な選択肢
『マラカイボの海賊たち』は、軽快な移動、自由度の高い戦略、エンジン構築の楽しさ、そして宝物の価値変動による緊張感が絶妙に組み合わさった中量級の良作です。アイコンの多さや探索トラックの報酬の偏りなど、細かな気になる点はあるものの、全体としては非常に遊びやすく、リプレイ性も高いと感じました。
海賊テーマのゲームが好きな人、エンジンビルドが好きな人、自由度の高いゲームが好きな人には特におすすめです。オリジナル版『マラカイボ』を知らなくても問題なく楽しめるため、単体の作品としても十分に魅力があります。
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