本記事は、ボードゲーム「ル・アーブル」について、英語のレビュー動画「Why I Love Le Havre(Tom Vasel/The Dice Tower)」をもとに内容をわかりやすく要約し、その上で実際のプレイ感に基づく詳しい感想をお届けします。
動画では、毎手番の選択が”常に最高”の中で迷える気持ちよさ、短い手番でテンポ良く回るゲーム展開、少人数(2〜3人)が特におすすめ、多彩な特殊建物によるリプレイ性などが語られていました。
元動画は「なぜこのゲームが好きか」を語る内容で、資源の山を取る/建物を使うというシンプルな入口から、終盤には選択肢が大きく広がっていく楽しさが強調されています。
結論
「ル・アーブル」は、“良い手の中からどれを選ぶか”をずっと悩める、満足度の高い資源・建物エンジンゲームです。手番は「資源の山を取る」か「建物を使う」かの二択が基本で、処理もサクサク。序盤は選択がシンプルで入りやすく、回を重ねるほどできることが増え、終盤は気持ちのいい連鎖が起きます。
2〜3人だと手番数のバランスが良くテンポも最高。特殊建物が出るたびに戦い方が少し変わるので、何度遊んでも飽きにくいのが魅力です。
ゲームの概要
各ラウンドでやることは基本的に二つ。① 場にたまった資源の山をひとつ取る、または ② 建物をひとつ使う(必要なら支払い)。
資源は時間とともに山が大きくなり、「今いらなくても6木は魅力…」と悩まされます。建物は資源を変換したり、船や新しい建物を作ったり、食料やお金の調達手段になったりします。
人々への“食料の支払い”はありますが、アグリコラのような厳しさではなく、達成すべき小さな目標という感覚で進みます。特殊建物が混ざることで、その回だけの方針が生まれ、同じ展開になりにくいのもポイントです。
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感想
1) 「悪い手がない」から、毎手番が楽しい
このゲームの一番好きなところは、“どれを選んでもそれなりに前に進める”点です。多くのゲームでは、誰かにキーアクションを取られると「うわ、やることがなくなった…」となりますが、ル・アーブルでは代わりに選べる良い手がちゃんとある。
例えば、木と鉄が欲しいのに鉄を先に取られたら、次善の手として「木を厚めに確保して建材ルートを強化」など、気持ちよく切り替えられる。この「良い手の中からベターを探す」感覚が常に続くので、ストレスより“選ぶ楽しさ”が勝つんです。
動画でも「良い・すごい・最高の選択肢の中で選び続ける楽しさ」が語られていましたが、実際に遊ぶと本当にその通り。毎手番がポジティブで、終始ワクワクが切れません。
2) 少人数がベスト テンポが気持ちよく、手番密度が高い
「2〜3人プレイが最適」という意見に強く同意します。人数が増えると1ラウンドの行動回数が落ちるため、“やりたいことをやれる回数”が減り、自由度が少しさがります。
2〜3人だと手番の回転が速く、“取る/使う”の判断をサクサク回せます。特に2人では資源山の読み合いが濃く、相手が「そろそろ魚を取りに来るな」と感じたら、こちらはひと足先に建物で変換して差を広げる…といった駆け引きの応酬が楽しい。
動画でも4人以上はテンポ面でおすすめしないと触れられており、ここは実際の体験と一致しました。
3) 序盤は入口がやさしく、終盤は一気に“手が伸びる”
序盤は選択肢が少なく、「山を取る」「基本建物を使う」のどちらかでOK。難しいことを知らなくても、必要な資源や食料を確保して回すだけで自然に学べます。
中盤から終盤にかけては建物が増え、“取る→変換→売る(または建てる)”の流れが太くなります。とくに船や強力な建物が揃い始めた頃の手応えは最高で、1手が2手、3手ぶんの価値を生み始めます。ここで「山を今取るべきか」「変換で一気に伸ばすか」の判断が立体的になり、読みと度胸のバランスが問われます。
動画で語られていた「短い手番でゲームが滑らかに進む」感覚は、まさにここで花開きます。
4) 食料は“試練”ではなく“目標”だから前向きに遊べる
食料供給はこのデザイナーの定番要素ですが、ル・アーブルの食料は重荷ではなく、小さな目標になっています。「このラウンドどうやって食べさせる?」と考えるのは、計画のスイッチのようなもの。資源を料理に変えたり、建物で食料を得たり、“ひと工夫で届く”ラインに設計されているため、達成の気持ちよさが勝ちます。
もちろん油断すると足りなくなることもありますが、経験を重ねれば無理のない対処が身につき、ゲーム全体を前向きに楽しめるようになります。動画でも「食料はつらい作業ではない」という点が強調されていました。
5) 飽きにくい
毎回同じ基本建物に加えて、数枚の特殊建物が場に混ざることで、その日の方針や狙いが少し変わります。
たとえば、革や肉の処理が強い建物が出た回は家畜ルートが伸び、魚を一気に加工して価値を上げる建物が出れば海のルートが熱くなる。「今日はこの建物を軸に回してみよう」と決めるだけで戦い方が変わり、毎回の違いが自然に生まれます。
動画でも、特殊建物がプレイ感を変える要素としてリプレイ性を高くしていると言及されていました。
6) 手ざわりの良さ
資源の山が大きくなる仕組みは、とにかく気持ちいい誘惑を生みます。「今は木がいらないけど、6木はさすがに無視できない…」という嬉しい葛藤。取った資源で建物を建て、船を出し、最後に振り返ると“自分の街の履歴”が並ぶ。この見える達成感が強く、勝っても負けても「今日はこれだけ作れた」と満足できます。
動画でも、ゲーム後に「これを作った、あれを成し遂げた」と言いたくなる達成感が語られています。
7) ほどよい相互作用
相手の建物を使ったり、資源の山を先に押さえたりする軽い駆け引きはありますが、資産を壊すような強い妨害はないので、雰囲気がピリつきにくいのも良いところ。
“取り合いの緊張感”はちゃんとありつつ、選べる良い手がちゃんと残るため、気分良く遊べます。動画でも、強い“ヘイト行為”が少なく、主役は自分のエンジン作りだと述べられていました。
8) 学習コストは低め
教えるときも、「資源を取る」か「建物を使う」の説明だけで始められます。ルールブックを細かく読み込まなくても、1プレイ目でだいたいの流れが身につく。
細かい最適化は回数を重ねれば自然と見えてくるので、“重ゲーだけど入口はやさしい”というバランスが素敵です。動画でも、最初の選択肢は少なく、後半にかけて自然に広がる点が評価されていました。
まとめ
「ル・アーブル」は、悪い手がほとんど存在しない心地よさ、短い手番で進むテンポ、特殊建物による変化、そして少人数での濃い駆け引きが魅力の一本です。食料も“足かせ”ではなく達成すべき小目標として働き、資源の山をつかむ快感とエンジンが伸びる手応えが最後まで続きます。
重厚な読み合いが好きな方はもちろん、“良い選択の中でベターを探す”楽しさを味わいたい方にも、自信をもっておすすめできます。
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