2024年大注目作『クリーチャーキャラバン』。YouTube動画「Will Creature Caravan Join Our Collection?」をもとに、プレイヤーが同時にダイスを振り、多彩なクリーチャーを仲間に加えながら12ターンでキャラバンを進めるボードゲームを詳しく解説します。
結論
『クリーチャーキャラバン』は5つのダイスを同時に配置し、カードの効果や資源獲得を繰り返すことでクリーチャーを強化し、エンジンを徐々に育てていく正統派エンジンビルドゲームです。
12ラウンドという限られたターン数の中で、移動・交易・ゾンビ討伐・市場達成を並行して進める苦悶のプレイ感はクセになります。
ソロモードの完成度が高く、最大3人プレイで競争と協調のバランスがちょうど良く機能します。一方、膨大なカードテキストとアイコンは慣れが必要なので、初見はルールの読み込みに時間がかかる点だけご注意ください。
ゲームの概要
プレイヤーは火山地帯から現れた「エンバーゾンビ」の脅威から逃れながらキャラバンを移動させ、クリーチャーを安全地帯へ送り届けます。
毎ターン、5つのダイスを同時に振って自分のプレイヤーボードと手札のカードに配置。カードは手札から捨てて資源を獲得し、新しいクリーチャーカードをタブローに追加することで、以降の行動効率を高めます。
12ターン経過後、所有クリーチャー・達成した市場目標・討伐ゾンビ数などで勝利点を競います。



感想
1. 同時ダイス配置が生む緊張感と没入感
5つのダイスを一斉に振り、それを同時に自分のボードと手札カードへ配置する仕組みは、「誰がどのダイスを狙うか」を読み合う真剣勝負を生み出します。
自分の番を待つ間も手札の使い道や次のダイス配置を思考し続けられるため、他プレイヤーのアクションを眺めている暇がほとんどありません。
短い12ターン内で「最低1歩は必ず移動しなければならない」制約が加わり、逃げ足と戦略構築を同時に進める焦燥感が強く、気づくと無言の集中状態に陥ります。
2. 膨大なカードテキストとリソース循環の快感
すべてのカードが固有能力を持つことで、ゲーム中盤以降に現れる組み合わせの幅は圧倒的です。不要なカードを捨ててパンや袋と交換し、さらに別のカードを建築して追加効果を得るなど、小さなコンボを積み重ねながらエンジンを拡張する快感があります。
1枚ずつ発見を積み重ねる面白さに支えられ、プレイを重ねるほど新たなシナジーが見つかります。
3. レースと市場要素による緩やかなインタラクション
ゲームの交流ポイントは「レース目標」と「市場ボード」です。移動マスを競うレースでは、全員が早く進みたい一方でダイスを資源に割く必要があり、最適な進行速度を模索する駆け引きが生まれます。
市場トラックは2ラウンド制で徐々に報酬が削減される仕組みで、低コストのうちに高得点を狙うか、資源を温存して後半に狙いを定めるか悩ましい選択を迫られます。
直接的な妨害は少ないものの、他者の達成タイミングが自分の計画に影響するため、程よい競争感が続きます。
4. ソロモードの完成度と手軽さ
ソロプレイ用にはオートマシートを用意。基本ルール用と拡張“Wanderers”用の2種があり、どちらも「ダイス振り→配置→オートマ行動」の流れで非常にスムーズです。
対人戦の緊張感に似た動きを再現しつつ、解決が速くて中断しやすいため、好きなタイミングで中止・再開できるのが魅力。プレイヤー待ち時間がゼロで快適に遊べる点は大きな長所です。
総合評価
『クリーチャーキャラバン』は、ダイス配置とカード獲得の組み合わせが魅力的な、エンジンビルド系ボードゲームの秀作です。同時ダイス振りによる没入感、カードを捨てて得られる資源循環、12ラウンドのレース感など、緩急ある戦略パズルが強く楽しめます。
ソロモードも優秀で、他プレイヤーを待たずに遊べる点は幅広い層に魅力的。
カード量とアイコンの複雑さには慣れが必要ですが、戦略重視のゲーマーや拡張を楽しみたいコレクターには強くおすすめできる一作です。
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