『プラネット・アンノウン』は、革新的なポリオミノ配置と多様な戦略性で注目を集める近未来系ボードゲームです。この記事では、Dice TowerのTom Vasel氏によるレビューをもとに、本作の魅力をプレイ感・戦略性・コンポーネント面から詳しく紹介します。
『プラネット・アンノウン』とは?
『プラネット・アンノウン』は、未知の惑星をテラフォーミングしながら自分の文明を発展させていくゲームです。プレイヤーは、テトリス状のタイルを回転式ボード「Lazy Susan」から選び、自分の惑星に配置します。資源トラックを上げたり、ローバーで隕石やライフポッドを収集したりしながら得点を重ね、最終的に最もスコアの高いプレイヤーが勝利します。
レビュー:Tom Vaselが語る本作の魅力
ポリオミノゲームの中でも異彩を放つ
Tom Vasel氏は冒頭で「このゲームは多くのポリオミノゲームとは明確に異なるプレイ感がある」と強調しています。タイル配置が単なるスペース埋めではなく、各種トラックへの影響やローバーによる得点源の獲得など、多層的な戦略が要求される点を高く評価しています。
トラック管理のジレンマがゲーム性を深化
本作では、「水・文明・バイオマス・ローバー・テクノロジー」という5つのトラックをタイル配置に応じて上昇させていきます。Tom氏はこの点について、「どのトラックを優先するかで戦略が大きく変わる」とし、毎ゲーム異なるプレイスタイルを誘発する要素として評価しています。
各企業と惑星のバリエーションが圧倒的
Tom氏は全ての企業・惑星を使用または対戦した上で、「それぞれの企業が全く異なる戦略性を持つ」ことに驚きを示しています。たとえば、ライフポッドを得点ではなく技術発動に使う企業、ローバーを5台持ち大量移動する企業など、明確な個性が設計されている点を高評価。
Lazy Susanの存在が快適さと楽しさを両立
ボード中央の回転式サプライ装置「Lazy Susan」は、物理的にもプレイ感としても本作を特別なものにしています。「毎ターンタイルを選ぶワクワク感が生まれ、選択のジレンマもある」とし、プレイヤーの没入感を高めていると述べています。
短時間で満足感の高いゲーム展開
Tom氏は「ゲームが60分以内で終わるにもかかわらず、毎手番がしっかりと意味を持ち、常に考えることがある」と絶賛。イベントカードはややテンポを損なうため、使用は任意としています。
コンポーネントとルール面の課題
- 箱にコンポーネントが収まりきらない構造:Tom氏は「すべてがきれいに収まらないのがストレス」と指摘。
- ルールブックの記載が不十分:特に企業能力や惑星効果の説明が簡略化されており、FAQを調べる必要があると述べています。
Tomが語る「好きな点・気になる点」
Tom氏のお気に入りポイント:
- 企業ごとの個性が強く、リプレイ性が非常に高い
- トラック上昇と得点源のバランス調整が楽しい
- 一手ごとの満足感が大きく、ゲーム展開もスムーズ
気になる点:
- イベントカードの多くがネガティブでゲーム体験を損なう
- 6人プレイでは物理的な狭さとゲームの早期終了の懸念がある
おすすめ対象プレイヤー
- 『テラフォーミング・マーズ』のような複数戦略型ゲームが好きな人
- 短時間で濃密なプレイ体験を求める中〜上級者
- ユニークなタイル配置ゲームを探している人
まとめ:『プラネット・アンノウン』はポリオミノゲームの新基準
『プラネット・アンノウン』は、ポリオミノ配置・拡大再生産・差別化された企業・多彩な惑星が融合した、戦略性と満足感の高い傑作です。
Tom Vasel氏が「今年プレイした中で最高クラス」と語るのも納得の完成度。プレイヤーの選択が常に意味を持ち、飽きがこない設計は、多くのゲーマーに長く愛される作品になるでしょう。
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